図書館は親が子供を連れてきてもうしろめたさを感じずに済む

 4階フロアの中央部には吹き抜けに挟まれた学習席が用意されている。あえて四方を覆うことはせず、間口は開かれたオープンスペースとした。「ドアをつけて完全個室にした方が、もちろん中は静か。けれど、閉鎖空間は少しの音でも気になるもの。50デシベル程度の雑音があった方が集中力が高まるといわれていて、学習は進むので」と宇尾氏。エビデンス重視の設計なのだ。

吹き抜けに挟まれた学習席
吹き抜けに挟まれた学習席
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 窓際に配置された閲覧ラウンジは、ノビノスでも1、2を争う人気のエリアだ。実はこの席、座ると鳥の鳴き声や川のせせらぎの音が聞こえる。頭上と足元のスピーカーからそれぞれBGMとして流しているのだ。リラックス効果を高める工夫に余念がない。

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窓際の閲覧ラウンジ。座席間隔が広くゆったり座れる
窓際の閲覧ラウンジ。座席間隔が広くゆったり座れる
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 これまで見てきた通り、ノビノスは子どもも大人も楽しめる空間に仕上がっている。居心地の良さは折り紙つきだ。

 「当初、自分の中でライバルは大手ショッピングモールと言い聞かせていた」と宇尾氏。その真意を尋ねると、向こうは、フードコートあり、映画館あり、おもちゃショップあり、など小さな子どもを連れて長い時間を楽しめる。だからこの図書館も一日中いても飽きないように工夫を凝らしたという。

 すると、あることに気づいた。「子どもを連れていく場所として、親はショッピングモールより学びの場である図書館の方がうしろめたさを感じずに済む。しかもここは公共施設なのでタダ。思わぬ出費も生じない」。子育て経験者ならだれもがうなずくところだろう。「そんなメリットを存分に感じてもらえれば」と宇尾氏は語る。

 実際、ノビノスは子どもたちから大人までが集い、活気にあふれている。市外からも多くの子どもたちが訪れ、いまや市民の誇りとなりつつある。