5月末に開設されたばかりの「あおもりヘルステックセンター」を見た

 モビリティを活用した予防サービス(フレイル/生活習慣病)のデータ分析において、今後、重要な拠点になるのが2021年5月末に青森市立浪岡病院内に開設された「あおもりヘルステックセンター」だ。浪岡地区の住民の医療・健康に関する需要を分析するとともに、その結果を活用して新たなサービスなどを企画・推進することを目的としている。

青森市立浪岡病院内にある「あおもりヘルステックセンター」の入口
青森市立浪岡病院内にある「あおもりヘルステックセンター」の入口
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 あおもりヘルステックセンターにおけるデータ分析の試みこれからになるが、現在はIoT機器やセンサーを活用した「見守りサービス」に取り組んでいる。同サービス自体は、2020年12月に本格的にスタート。見守る対象である利用者の自宅に赤外線センサーや生体センサー、電力センサー、センサーマットなどを設置。利用者の行動や家電製品の利用状況をチェックし、呼吸や脈拍、眠り状態などを確認する。気になる動きや異常などがあれば、アラートが出るようになっている。

 利用者の状況については、同センターに常駐する専属の看護師がパソコンでチェックする。アラートが出た場合は、看護師がテレビ電話を使って利用者の現状を確認。介護施設での利用者であれば介護施設のスタッフに直接連絡するほか、訪問介護の利用者であれば訪問看護師にお願いするような仕組みになっている。将来的には24時間体制での見守りを目指しているが、現在は看護師が勤務する日中のみの対応となる。

「あおもりヘルステックセンター」の様子
「あおもりヘルステックセンター」の様子
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看護師が利用者との連絡に利用するテレビ電話は、利用者側にも同じものが設置されている。しかも、患者側は画面をタッチするだけで、あおもりヘルステックセンターの看護師にすぐつながるようになっているそうだ
看護師が利用者との連絡に利用するテレビ電話は、利用者側にも同じものが設置されている。しかも、患者側は画面をタッチするだけで、あおもりヘルステックセンターの看護師にすぐつながるようになっているそうだ
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 この取り組みで想定するのは、「将来的な医療従事者、介護従事者の不足に対応するための仕組み」(青森市立浪岡病院 事務局総務管理チーム 主幹の田澤賢氏)である。現在は実証段階のため国の補助金制度を利用して運営しており、利用者の負担は無料。制度が利用できるのは2022年度までのため、「それ以降の運営を可能にするための仕組みづくりが課題」(同氏)だとした。

 なお、この取り組みで利用している各センサーやIoT機器は「あおもりヘルステックコンソーシアム」に参画する企業の製品を組み合わせている。「各企業にはセンサーや機材の活用方法の検討にも参加してもらっており、年2回程度のペースで改善を進めている」(田澤氏)という。