Beyond Healthは、「健康で幸福な人生100年時代を可能にする」社会を描くためのビジョンとして「空間×ヘルスケア 2030」を提案していく。このほど、それを実現するための新プロジェクト「ビジョナリー・フラッグ・プロジェクト(VFP)」をスタートさせた(関連記事:目指すは「空間×ヘルスケア」の社会実装)。

その一つとして描いた未来の薬局「Beyond Pharmacy」では、薬局は未病の改善を推し進める社会の“ハブ”に、薬剤師は「ヘルスケア・マイスター」へと変貌することを示した(関連記事:さらば“薬局・薬剤師”、いざ「Beyond Pharmacy」)。しかし、こうした姿に向けては、“従来の薬局・薬剤師の業務”を効率化し、より多くの生活者に対峙できるようにしなければならない。

長野県上田市にあるイイジマ薬局は、このほど薬局ロボットを導入。国内初となるOTC医薬品向け大型タッチディスプレイも取り入れた。医薬分業による門前薬局型の調剤薬局ではく、元々、地域の生活者や患者のファーストアクセスの場として機能してきたことで知られる同薬局。その“古き良き”側面に、ロボットを組み合わせることで実現する世界を追った。

(写真:小口 正貴、以下同)

 人口15万3千人、長野県第三の都市である長野県上田市。真田氏が築いた上田城のお膝元として全国的に知られ、近年では2016年の大河ドラマ『真田丸』で脚光を浴びた。

 他方、上田市は市民の間にかかりつけ薬局が浸透しているモデル地域としても名を馳せる。複数の病院・クリニックの処方せんを受け入れる面分業の薬局が多数を占め、2015年の「患者のための薬局ビジョン」で示された“対人業務から対物業務へ”の姿勢を以前から貫くなど、地域密着型薬局の充実を図ってきた。

 上田薬剤師会で中心的な役割を果たしてきたのがイイジマ薬局だ。処方薬、OTC医薬品(一般医薬品)、衛生材料(包帯、絆創膏、マスクなど)、日用品を取り扱う同薬局は“専門性と利便性”を標榜し、サービスの質に加え、薬剤師の職能意識向上に努めてきた。

長野県上田市のイイジマ薬局

 サービスを支える手段として積極的にIT機器を導入していることも特徴の1つ。例えば服薬指導や薬歴をクラウドで確認できる「DrugstarLeadクラウド薬歴」は、薬剤師の業務効率化に広く貢献している。