Beyond Healthは、「健康で幸福な人生100年時代を可能にする」社会の実現に向けたビジョン「空間×ヘルスケア 2030」を掲げ、具現化するためのプロジェクト「ビジョナリー・フラッグ・プロジェクト(VFP)」を立ち上げた(関連記事:目指すは「空間×ヘルスケア」の社会実装)。

このビジョンの鍵を握るのが、地域の「ヘルスケア・マイスター」として人々の健康を支える薬局・薬剤師。処方薬の調剤や一般用医薬品の販売に加え、かかりつけ薬剤師として患者宅を定期的に訪問し、服薬管理だけでなく健康に影響する生活環境にも目を配る。今回取り上げるのは、愛知県岡崎市を中心に複数の薬局を展開するパナドーム。調剤薬局の枠にとらわれず在宅医療を強化、保険外の関連事業にも進出し「街の健康拠点」の創造を目指す。代表取締役を務める、薬剤師の藤井伸昌氏に話を聞いた。

パナプラス薬局小豆坂店(写真:森田 直希、以下同)

 徳川家康の出生地として知られる愛知県岡崎市。その緩やかな丘陵に整備された新興住宅地・小豆坂に昨年、新しい薬局がオープンした。

 パナドームが展開しているパナプラス薬局小豆坂店で、外観からはとても調剤薬局と思えない。どこか海外の先鋭的な建築を思わせるが、道路に面した入り口から中をのぞくと、普通の薬局であれば、待合のいすと投薬カウンター、その奥に調剤室が見えそうなところだが、それはない。

側面にはお薦めの健康食品などを陳列するスペース

 中に入ってみると、薬品のようなにおいは全くせず、おしゃれなカフェを思わせる調度品が並ぶ。どちらかといえば、旅先でちょっとした休憩所に入ったような気分になるスペースといっていいかもしれない。側面には、お薦めの健康食品などを陳列するスペースがあり、中央は処方箋受付・投薬窓口ではなく、サプリメントの相談を受ける専用カウンターだ。処方箋を受け付けるブースはその奥にあり、さらに進むと、体重や体脂肪率のほか、筋肉量や基礎代謝量、水分量、骨量なども測定できる「ヘルスチェック」室、そしてマインドフルネスを実践するスペース「ZEN」が設けられている。

 パナドーム代表取締役の藤井氏は、「地域の健康のファーストゲート」としての薬局の機能を追究した先にこの新店を開いた。「保険薬局としての業務にとどまらずにできることを考えている」と言い、調剤業務をめぐる現在の課題に向き合いながら、保険調剤を起点として、在宅医療や保険外事業を展開し、薬局・薬剤師の果たすべき役割を研究し続ける。