「新たな病院と街のモデル」を作る

技術面では5GやIoTの活用を想定されているようですね。

川島 まだまだ検討段階ですが、センシングデバイスや5Gを活用して宿泊者の健康状態をスムーズに把握できるような実証も想定しています。それから、日本でも今後加速する遠隔診療の実証実験などですね。どんな技術が治療や研究に役立つのか、がんセンター東病院とともに新たなモデルの開拓に取り組んでいければと思います。

「新たな病院と街のモデル」を構想する(出所:三井不動産)
「新たな病院と街のモデル」を構想する(出所:三井不動産)
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より大きな視点で「新たな病院と街のモデル」を掲げています。これはどんな内容になりますか。

谷津 現段階では遠隔チェックインと、街が提供するサービスをミックスすることを想定しています。

 病院は診察までの長い待ち時間がつきもので、数時間待つこともザラにあります。しかし、ただ待合室で待っているだけでは非常に時間がもったいない。ですからTXで柏の葉キャンパス駅に着いた時点で遠隔から病院の受付を済ませ、診察時間の目安がわかれば患者にとってこれほどありがたいことはない。診察まで1時間の余裕があるとすれば、例えば駅前のららぽーと柏の葉でその1時間を過ごせます。ららぽーとからは、お店の紹介がスマートフォンなどに案内されて時間を有効に使うことができる──そんな仕組みです。

 その先には、街の人流、混雑状態の把握を組み合わせることが必要になってきます。なぜなら最終的には交通サービスと連携したいからです。タクシーやバスなどの運行状況を組み合わせ、駅に着いてからの一連の過ごし方を提案するイメージです。こうした網羅的なサービスがあれば、遠隔チェックインから商業施設での過ごし方、どういう交通手段を使ってがんセンター東病院に行けばいいかがひと目でわかります。それにより患者の利便性が高まって満足度が向上し、街への愛着も湧くのではないでしょうか。