投資した複数社がイグジット(株式公開やM&Aによる第三者への売却)を果たすなど、オムロンによるスタートアップ企業への投資事業が成果を上げている。そこには、日本最古の民間ベンチャーキャピタルや創業者である立石一真氏の教えや理論が引き継がれている。同社のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)であるオムロンベンチャーズの根底にある考えや成果などを、社長を務める産業革新機構出身の井上智子氏に聞いた。

 全自動感応式電子信号機、オンラインキャッシュディスペンサ、カラー表示電卓、自動改札機、無接点近接スイッチなど、数多くの世界初の偉業を成し遂げてきたオムロン。ヘルスケアの領域では、家庭で血圧を測る文化を築いたことで知られる。創業者の立石一真氏は「まず、やってみる」ことをモットーとし、次々と社会に役立つ技術を世に送り出してきた。

 拠点を置く京都の産業育成にも多大な貢献を果たした。1972年には日本最古の民間ベンチャーキャピタル(VC)と言われる「京都エンタープライズ・ディベロップメント(KED)」を、ワコールや京都銀行など京都経済同友会のメンバーとともに設立。初期の日本電産に出資したことは、つとに有名だ。