NTTドコモのヘルスケアへの取り組みが加速している。もともと個人向けに提供していた「健康データをもとに、行動変容を促す」というサービススキームを企業向けにも拡大している。さらには、外部企業と連携するなどして街への展開も図る。ヘルスケア事業の統括部署であるヘルスケアビジネス推進室の出井京子室長に、ヘルスケア領域における主な取り組みや成果、今後目指す方向などを聞いた。(聞き手は菊池 隆裕=日経BP 総合研究所)

 現在、NTTドコモは、通信を生かした新事業としてヘルスケア領域に注力している。2020年4月には、オムロン ヘルスケアとの合弁によって設立したドコモ・ヘルスケアをドコモ本体に吸収合併し、ヘルスケア事業を一本化。ドコモがNTTの完全子会社になることもあり、今後はNTTグループや外部企業との協業を通じて、さらなる事業拡大を図る。

 統合後にヘルスケア事業を束ねるNTTドコモ ビジネスクリエーション部 ヘルスケアビジネス推進室 室長の出井京子氏は、「ドコモ本体だからこそさまざまな企業からお声がけをいただく機会が増えた。ヘルスケアや医療のICT化が加速していることも一因だ。ドコモには法人ビジネス部門もある。よりスピード感を持って、スケールメリットを生かしながら拡大していく」と展望を語る。

NTTドコモ ビジネスクリエーション部 ヘルスケアビジネス推進室 室長 出井京子氏(提供:NTTドコモ)

 もともとドコモではヘルスケア関連サービスの「dヘルスケア」を一般向けに展開しており、2018年5月からはアプリ提供も開始。日常の健康記録や行動をサポートする内容で、歩数や体重記録、専門家が監修する健康ミッションのクリアに応じてdポイントがたまるインセンティブ方式を採用する。2021年1月時点でアプリダウンロード数は700万を突破。ユーザーアンケートでは、約9割が「健康意識が向上した」と回答している。

 このスキームを法人向けの健康経営支援に応用したのが「dヘルスケア for Biz」である。 “楽しみながら健康に近づく”というdヘルスケアアプリのコンセプトはそのままに、法人限定機能として健康診断結果の確認、AIリスク測定、健康増進ミッションの配信を加えた。