薬で競合するも、デジタルではコラボ

 i2.JPの設立と並行して行なわれた在日米国商工会議所 (ACCJ)主催によるヘルステック領域のピッチイベントは、これらのオープンな姿勢を象徴するものだ。メインスポンサーを務めたのはバイエル薬品、アストラゼネカ、日本イーライリリーのほか、コンサル企業のデロイトトーマツで、バイエル薬品以外は主催のACCJを含めてi2.JPに参加している。「薬では競合するが、デジタルではコラボできる余地があることが証明された。このようなイベントを通じて大企業同士の交流も生まれている」

 そのほかのi2.JPの主な活動としては、チャレンジ公募がある。初回は「慢性腎不全の早期診断」「COPD(慢性閉塞性肺疾患)患者の早期治療介入の実現」「在宅モニタリング」と3つのテーマを用意し、アストラゼネカが受け皿となってパートナーを募集している。

 「社会性があるかどうか、ビジネスの可能性があるかどうかの2つを評価軸とした。慢性腎不全とCOPDはアストラゼネカの専門領域だけに、大いに期待している。在宅モニタリングは非常に間口が広いヘルステック領域のため、スタートアップからの提案が多数寄せられている」

 今後の展望としては、数年後に何かしらの医療ソリューションやデバイスなどが生まれ、「できれば上市して患者に貢献していることが望ましい」とする。そのためにも参加者をどんどん増やし、熱量が変わらないようにエネルギーを投下していきたいと劉氏は話す。

 「自走する健康的なコミュニティになるのが理想。自走はコミュニティ・マネジメントで最も難しい課題だが、皆さんに使いやすいプラットフォームだと思っていただけるようにトライを重ねていく」

「Zen space」と呼ばれるオープンスペースは癒やしの空間でビジネスアイデアをリフレッシュできる。オフィス内にはカフェがあり、SDGsに配慮した飲食が提供される

(タイトル部のImage:出所はアストラゼネカ)