京セラは、オープンイノベーションを推進する拠点として「みなとみらいリサーチセンター」を2019年5月に新設した。大手各社のR&D拠点が集まっている横浜・みなとみらい地区の地の利を生かし、外部との交流に力を入れる。医療・ヘルスケアは注力領域の1つであり、ソニーやライオンと共同開発した電動歯ブラシなど成果を上げ始めている。同センターの高橋聡氏と大崎哲広氏に、同センター誕生の背景、特徴、目指す方向などを聞いた。(聞き手は菊池 隆裕=日経BP 総合研究所)

 京セラが横浜市みなとみらい地区に設立した「みなとみらいリサーチセンター」。2019年5月の開所から約1年が過ぎ、徐々に存在感を増しつつある。

 みなとみらいリサーチセンターは、東京・品川の東京事業所、横浜市都筑区の横浜事業所、横浜市緑区の中山事業所と、首都圏近隣に点在していた研究開発(R&D)拠点を1カ所に集約したものだ。同センターでは約700人の研究員、エンジニアが働いており、研究対象は、エネルギー関連、車載・モビリティ関連、情報通信・AI関連、医療・ヘルスケア関連の4分野がある。

 京セラのコーポレート直轄R&D拠点としては、京都府に設けた「けいはんなリサーチセンター」がある。みなとみらいリサーチセンターは、オープンイノベーションを前面に押し出している点でけいはんなとは性格が異なる。

工房やデザインルームなどを備えたCreative Fab(写真:加藤 康、以下同)

 入居するビルの1階には「Creative Fab」と名付けた工房、デザインルーム、ミーティングスペースを設置。外部の企業や一般参加者も含めて活発なアイデアソンやハッカソンを実施してきた。

 6階にある「Innovation Square」は、開放的な空間のカンファレンスルームが中心。最大230人を収容でき、社内外のセミナーやワークショップ、講演などで利用される。船をモチーフとしたモダンなデザインも特徴的で、目の前には横浜港のダイナミックな眺望が広がる。新型コロナウイルスの影響で集合型イベントのニーズは一時的に減っているものの、積極的なコミュニケーションを交わす場としては非常に恵まれた施設と言える。

200人以上を収容可能なカンファレンスルーム
迫力ある大画面ディスプレイ(ソニー製Crystal LEDディスプレイシステム)を備える
イベント会場の控室としても使うミーティングスペース
船を模した受付
眼下には展示会場のパシフィコ横浜が見える
同センター設計にあたって「船」をモチーフにした想いをプレートとして掲げた