オンライン健康相談で新会社を設立

 一方で、ソフトバンクのグループ会社では、ヘルスケア領域におけるさまざまなサービスの提供がすでに始まっている。ヘルスケアテクノロジーズが提供するオンライン健康医療相談サービス「HELPO(ヘルポ)」はその1つだ。

オンライン健康医療相談サービス「HELPO(ヘルポ)」の画面イメージ(出所:ヘルスケアテクノロジーズ)
オンライン健康医療相談サービス「HELPO(ヘルポ)」の画面イメージ(出所:ヘルスケアテクノロジーズ)
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 ヘルスケアテクノロジーズは、ソフトバンク内で2017年に新設された新規事業を創出する「デジタルトランスフォーメーション本部」から立ち上がった企業。医療・介護保険制度の崩壊という喫緊の課題に対して「従来とは異なるアプローチを模索した」(ヘルスケアテクノロジーズ 代表取締役社長 兼 CEOの大石怜史氏)なかで、HELPOが生まれた。HELPOは、スマートフォンアプリなどを通してオンライン健康医療相談や病院検索、一般用医薬品などの購入をワンストップで行えるヘルスケアサービスで、2020年7月からサービスを開始した。現時点では、企業を顧客としたB to Bでの事業展開となる。

ヘルスケアテクノロジーズ 代表取締役社長 兼 CEOの大石怜史氏
ヘルスケアテクノロジーズ 代表取締役社長 兼 CEOの大石怜史氏
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 ヘルスケアの段階を「未病」→「未病以上医療未満」→「医療」→「介護」とした場合、ヘルスケアテクノロジーズがまず注力するのは「未病以上医療未満」となる。大石氏は「優れた皆保険制度があるゆえに、病気が悪化するまで気にかけない」という日本人の傾向を考慮し、この状況を改善するためには「医療の手前の段階で、さまざまなアプローチを仕掛けるしかない」と判断。その中で実現できるサービスとして、HELPOを展開している形だ。

現在の注力領域は「未病以上医療未満」(出所:ヘルスケアテクノロジーズ)
現在の注力領域は「未病以上医療未満」(出所:ヘルスケアテクノロジーズ)
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 さらに、中長期的な視点で「病気になりにくい、あるいは病気になってもすぐに改善できるような環境を整える」(大石氏)ことを目標とし、テクノロジーを活用したヘルスケアプラットフォームを構築しようとしている。例えば、HELPOはエンドユーザーへのタッチポイントを有するアプリとなるため、大石氏は「ソフトバンクのさまざまなソリューションをこのヘルスケアプラットフォームで実装したい」と考えている。

 さらに、Beyond Carrierでは「協創」もキーワードとなるため、大石氏は「他社の優れたソリューションもこのプラットフォームに取り込んでいき、一気通貫で顧客に対して最適なサービスを提供していく」という構想も持っている。HELPOのアプリ内ではすでに、ココカラファインなどのドラッグストアとの連携による一般用医薬品ECサイト「ヘルスモール」や、MICINとの連携によるオンライン診療が実装されているが、これらはまさにそういった発想に基づいたものだ。

 とはいえ、今後の展開を考えれば大石氏は「まだまだ足りない」と語り、さまざまな企業とのさらなる連携を進めている。例えば、ヘルスモールについては物販に限らず、利用者の健康に寄与するさまざまなソリューションを展開できる余地がかなりあるほか、病気の際に最も効率的に改善へと誘導できるような選択肢ももっと必要だと考える。また、本当に顧客のことを考えるのであれば「デジタルソリューションだけでも、リアルアセットだけで不十分。その両方がしっかり掛け合わさるような形で提供していかなければならない」と付け加えた。

 ソフトバンクは、ヘルスケア領域に対してグループ全体で挑むとともに、社外との連携も強化することで新たな価値の発見を模索している。日本の医療課題を解決する革新的なビジネスモデルが、ソフトバンクとさまざまな企業・団体とのシナジーによって生まれることに期待したい。

(タイトル部のImage:Image:AFP/アフロ)