健康で幸福な人生100年時代の実現に向けて、がんの早期発見を実現する社会を構築する。それには、個人の行動変容やリテラシー向上、新たな検査技術の社会実装、インフラの整備などにつながる取り組みを、社会全体の知恵を結集して進めていくことが不可欠だ。様々な立場からがん早期発見社会の実現に挑む有識者が、「がんスクリーニング」を語り合った。

会議後に参加メンバー全員で撮影した写真(写真:剣持 悠大、以下同)

「【宣言】がんスクリーニングを社会に」を全会一致で採択

 Beyond Healthは2020年9月29日、有識者を交えた円卓会議「健康人生100年の世界を実現するために『がんスクリーニング』を考える」を東京都内で実施した。今回の会議では、「がんスクリーニング」を「生活者の中から、がんに関する検診や医療インフラに行くべき人をふるいわけること」と定義。がんの早期発見につながる個人の行動変容やリテラシー向上、新たな検査技術の開発、それらの社会実装に向けた協働の可能性と課題などに焦点を当てた(関連記事)。

 座長は、かねて「先制医療」という考え方を提案している日本学士院長、京都大学名誉教授・元総長の井村裕夫氏が務めた。同氏は冒頭、「先制医療の実現は、社会全体が関わる必要がある。今回のメンバーによる議論にはとても期待している」と語り、会議がスタートした(関連記事)。

議論の様子

 議論は、「一人ひとりの意識改革」「異業種連携・新たなプレーヤーの参画」「医療との正しい連携」という3つのテーマに分けて進んだ。その内容を踏まえ、最後に「【宣言】がんスクリーニングを社会に」を全会一致で採択した(関連記事)。

 会議に参加した有識者は次の通り(氏名50音順、クリックすると各有識者の取り組みを紹介した記事にリンクします)。

富士通 健康推進本部 健康事業統括部 統括部長 東泰弘氏
国立がん研究センター 理事長 中釜斉氏
ディー・エヌ・エー 代表取締役会長 南場智子氏
キャンサースキャン 代表取締役社長 福吉潤氏
アフラック生命保険 執行役員 森本晋介氏

日経BP総研リポート「がんスクリーニング革命」を発行

 前述の3テーマ別に進んだ今回の円卓会議の議論の詳細は以下の通りである。

【テーマ1】一人ひとりの意識改革
最初の議論テーマは「一人ひとりの意識改革」。つまり、「個人」に焦点を当てた議論である。がんの早期発見に向けては、一人ひとりががんという病を“自分事”としてとらえる意識や、それを支えるリテラシーが不可欠だ。では、個人の行動変容を促したり、意識を高めたりするためには、どんな打ち手が考えられるのか──そんな視点から、議論が繰り広げられた(関連記事)。

【テーマ2】異業種連携・新たなプレーヤーの参画
続く議論テーマは「異業種連携・新たなプレーヤーの参画」。がんの早期発見に向けた新たなスクリーニング技術の開発やその社会実装に向けては、これまで直接的に医療やがん分野に携わっていたプレーヤーだけでなく、幅広い業種・業界の知恵の結集が必要になる。異業種連携の意義や新たなプレーヤーの役割とは──そんな視点での議論が繰り広げられた(関連記事)。

【テーマ3】医療との正しい連携
最後の議論テーマは「医療との正しい連携」。テーマ2でも話題になった、血液などからがんを診断する新たながんスクリーニング技術。現在、様々な研究開発があちらこちらで進んでおり、注目を集めている。こうした技術の社会実装に向けては、医療との正しい連携のもとで、想定される課題の理解や社会的コンセンサスの構築などを進めていく必要がある──そんな視点から、意識すべき幾つかのポイントが示された(関連記事)。

Beyond Healthでは、この円卓会議の様子に加え、がんスクリーニング技術の最新動向、キーパーソンの視点を追ったインタビューをまとめた日経BP総研リポート「がんスクリーニング革命」を2020年12月25日に発行しました(詳細は以下の写真をクリックしてください)。

日経BP総研リポート「がんスクリーニング革命」(写真:Beyond Health)

(タイトル部のImage:剣持 悠大)