これが、大腸がん検診の実態

 大腸がん検診の実態を詳しく見ていきます。現在、対策型大腸がん検診(対象は40歳以上)で行われている便潜血検査では、2回連続で便潜血が確認された場合に陽性となります。陽性者は大腸内視鏡検査の対象となり、異常を確認できなければ毎年検査を繰り返します。

 便潜血検査で確認される陽性者は約6%。つまり、大腸がん検診を1000人受けると、このうち陽性者が約60人という計算です。そして、この60人が大腸内視鏡検査を受けると、約2人の割合でがんが確認されます。がんを見つけた場合には、内視鏡治療や外科手術に移行します。

 便潜血検査は、内視鏡を受けるわけでもなく苦痛もない。効率よく行える検査といえます。にもかかわらず、受診率は20%程度にとどまります。そして、陽性になった人の精密検査受検率も60~70%と低いことが課題です。

 実際、大腸がん検診で発見されれば早期がんが60%であるのに対して、病院の診療で発見された場合は早期がんの割合が21%ほど。早く見つけて直す観点からも、現在の大腸がん検診は優れているといえます。

 一方、課題もあります。その一つが、スクリーニングの感度の問題です。1回の検診で陽性となる割合が、進行がんは80~90%なのに対して、早期がんは30~50%。これを補うためにも、毎年検査を受けることは大切です。そうすれば今年陰性だったとしても、来年に治癒可能な状態で見つかる可能性があります。

 なお、感度は部位によっても変わってきます。左側(のがん)は検出感度が93.7%と高いのですが、右側は感度が79.2%と低下します。10mm以上の腺腫も含めると、それぞれ76.7%、56.9%となっています。