きっかけは“ダイエッター”

 こうした自動採寸技術を展開するスタートアップ企業は、現在、ファッション・アパレル業界の次として、ヘルスケア業界に注目している。ファッション・アパレル向けにサービス提供を開始したところ、ユーザーの一部がダイエットやトレーニングの効果測定目的で継続的に採寸を繰り返すことから需要があると判断、こうした用途に向くように機能を改善したという。そこからダイエットとも関係が強い生活習慣病などのヘルスケア領域に目尾を付けた。自動計測技術の手軽さを武器に、疾病の早期発見に向け重要な役割を担える可能性がある。実現すれば医療費削減へとつながるとし、精度を高めたり使い勝手を良くすることでヘルスケア業界への展開を狙う。

 ZOZOはマーカーの数を50倍の約2万個へと増やし、測定精度を高めた「ZOZOSUIT 2」を2020年10月に発表した。マーカーがほぼすき間なく全身を埋め尽くしており、筋肉や脂肪などによる体表面の凹凸形状も認識できる。「精度を高めたことで、(いわゆる”三段腹”などの)体の形状も把握できるようになった」(ZOZO 取締役 兼 COOの伊藤正裕氏)。高精度化により、背骨が湾曲してしまう側弯症や姿勢のゆがみといった細かな状況も検出できると見込む。

約2万個のマーカーを配置する「ZOZOSUIT 2」(写真:ZOZO)
約2万個のマーカーを配置する「ZOZOSUIT 2」(写真:ZOZO)
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 Bodygramは同社の採寸アプリに3Dアバター表示機能および3Dアバターによる体形トラッキング機能、24カ所の計測結果について数値の変化をグラフ表示する機能を追加し、2021年2月に同機能の提供を開始した。従来に比べて、体の状況や変化を把握しやすくした形だ。「医療の診断等には使えなくても、メタボリック症候群や2型糖尿病、無呼吸症候群など、体形との相関関係が強いとされる疾病のリスク検知には活用できると考えている」(Bodygram Japan COOのRei Aiba氏)。

「Bodygram」は3Dアバターによる体形トラッキング機能を用意(写真:Bodygram Japan)
「Bodygram」は3Dアバターによる体形トラッキング機能を用意(写真:Bodygram Japan)
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