計測精度と解像度を向上

 今回のZOZOSUIT 2と従来品との最大の違いについて、同社取締役 兼 COOの伊藤正裕氏は「計測精度と解像度の向上」を挙げる。

従来品同様、スマホを使って12回撮影することで計測する(撮影:加藤 康)

 精度について、同社で3Dレーザースキャナーの計測結果とZOZOSUIT 2での計測結果を比較したところ、平均誤差は3.7mmであり、3Dレーザースキャナーによる計り直しと同等の精度を実現できたとする。また、生成する3Dモデルの解像度が高まったことで、例えば肩の筋肉の盛り上がりやいわゆる三段腹のような体表面の形状が詳細に把握できるようになったという。

 計測精度と解像度の向上に向けた主な改善ポイントは三つ。一つは、マーカーの数を増やしたこと。マーカー数を、従来品の約50倍に相当する約2万個へと高解像度化した。従来はマーカー間のデータがない部分は標準モデルから形状を推測しており、細かな凹凸は把握できなかったが、今回はマーカー間のすき間がほぼなくなったことで表面形状が細かに把握できるようになったとする。

マーカー数を約50倍に増やし高解像度化(図:ZOZO)

 もう一つは、マーカーデザインの変更だ。従来品では、直径約2cmの白い円形のマーカーの中に並ぶ直径2mmの黒い円が認識対象だった。白いマーカーは全身に約400個配置され、その中に黒い円で構成される“柄”は全て異なる。これを識別することで3Dモデルを生成していた。今回の製品では認識対象を直径6mmの白丸と黒丸のマーカーとし、これらの並び順がユニークになっていることから識別して3Dモデルを生成する。

 この変更により、認識対象の認識性が向上し、スマホのカメラでより多くのマーカー情報を取得できるようになったとする。「従来品ではシワなどで白いマーカー内の黒い円が隠れてしまうと、その部分のマーカーの情報は欠けた状態になっていた。今回は、白い円と黒い円の並び方がすべてユニークになっていて、体のどこの部分かを認識できる。多少シワで隠れても問題はない」(伊藤氏)

マーカーデザインを変更し、認識性を向上(図:ZOZO)

 三つめとして、3Dモデル生成に向けたアルゴリズムを改善した。3Dモデルを生成するためには、計測したマーカー地点に対して人体の数学モデルを合わせていく。今回は、高い解像度や人体の動き、脂肪や筋肉といった組成に対応する数学モデルを採用した。例えば12枚の写真撮影中に手が動いた場合、従来は体の動きが追えずに手の長さや肩幅といったサイズの誤差原因となっていた。今回のスーツの場合は動きに追随できるので、こうした測定時の誤差を抑えることができるとする。

従来品の場合、シワなどでマーカーの一部が隠れるとそのマーカーは読み取れなくなってしまい、結果的に計測精度の低下につながっていた(撮影:加藤 康)
スマホアプリでの撮影結果に生成した3Dモデル(オレンジ色)を重ねた画像。股下やわきの下などの部分も精度よく再現できていることが分かる。なお、これはデモ用の画像で、ユーザー向けアプリではこうした画像提供は予定していないという(写真:ZOZO)