足のデータベースを構築

 こうしたインソール作成のデジタル化の次として、今、同社が力を入れているのが足の3Dデータを中心に関連する健康情報や靴の情報をまとめビッグデータ化する「Foot Bank構想」だ。冒頭に紹介したシンデレラキューブは単なる小売業向けの計測システムではなく、足の3Dデータや健康情報といったデータ収集のための“プローブ”であり、足以外のバイタルデータ計測機器やボディの採寸システムなどと組み合わせることも想定している。小売業に加えて医療関係やスポーツ関係、公共施設など、他社の採用に自社での設置を加え、日本国内1000カ所への設置を目指すとする。

 足のデータとしては、寸法情報や3Dデータ、立位と座位での足形状の変化、足裏の圧力分布のほかに、歩行の加速度やバランスなどがある。さらに圧力センサーやジャイロセンサーなどが入ったインソールを使った歩行データの計測なども研究中だ。「足に関するデータを基に足と靴のフィッティングの関係の数値化だけでなく、健康と足のデータの相関関係の数値化などを実現したい」(荒山氏)。

足裏の圧力分布の計測例。足指の一部が浮いている。かかとが細く、普段のパンプスでは足が前滑りして指が曲がっていることが疑われるという(撮影:Beyond Health)

 足のビッグデータ収集の第一歩として、大阪府泉大津市の「あしゆびプロジェクト」に参加している。あしゆびプロジェクトは、泉大津市が健康寿命の延伸に向けて取り組むプロジェクトの1つである(関連記事:「市民の『健康』『能力』を向上させるまちづくり、『アビリティタウン構想』」)。高齢者の介護へとつながる転倒の一因は足指の浮きにあるとして、幼児から高齢者までの幅広い年代層に足指を鍛える運動などを広め、正しい姿勢の習得や体幹の安定、転倒予防の実現を試みている。

 この中で、ドリーム・ジーピーは幼稚園や小学校、一般市民を対象に足型計測を行って足の3Dデータを集めるなど、研究を進めている。2020年6月には「My Foot Station 泉大津店」を設置、計測拠点としても活用中だ。さらに手軽に計測できるよう、泉大津市役所内にもシンデレラキューブや遠隔サポート体制を利用した三次元足型自動計測機の設置を検討しているという。最終的には約7万4000人の市民全員の足型を3Dデータ化し、データベースとして活用できる体制を整える計画だ。