協業により各種ソリューションを用意

 荒山氏は「我々は足のデータを集めるだけでなく、ソリューションを提供できるのが強み」と話す。インソールはその代表例と言える。同社では運動靴などだけでなく、就業時に利用する安全靴などに組み合わせるインソールを健康経営向けに提案する計画だ。「足を計測してオーダーメイドインソールを提供するといった、サブスクリプション形式のサービスを考えている。3カ月ごとに継続計測することが大切だ。インソールの利用により状態も変化するし、計測結果を見ることで本人の意識も高まる。転倒予防体操なども含めた総合的なサービスとしたい」(荒山氏)。

 2021年4月には、女性用パンプスにオーダーインソールを組み合わせた「REAL FOOT MODERATO」をクラウドファンディングで発表した(同製品の紹介ページ)。靴自体はオーダーではないが、同社が航空会社の客室乗務員やデパートの美容部員といった、いわゆる立ち仕事などに従事する1200人以上の実測データから解析した現在の日本人女性の“最大公約数”から作成した木型を使用したものを採用する。

 「日本人女性は靴を履くと足が痛いからと、実際よりも幅広サイズを選ぶなど、適正サイズよりも大きい靴を履いていることが多い」(荒山氏)。靴が大きいために足が前に滑るなどして位置がずれてしまい、結局痛みの原因になることもある。同製品ではオーダーインソールで踵と足のアーチを安定させ、蹴り出し時に足が曲がる部分(MP関節部)と靴の曲がる部分の位置を合わせることで、歩きやすく疲れにくいパンプスが実現できるとする。

ドリーム・ジーピー 代表取締役の荒山元秀氏。手に持っているのは、オーダーメイドインソールと組み合わせるパンプス「REAL FOOT MODERATO」。写真はインソールは未挿入の状態(撮影:Beyond Health)

 靴の中敷きとして使うインソール以外にも、事務所内などで利用するサンダル、室内履きやスリッパ、日常用のソックス、介護シューズや整形靴などを用意する。靴メーカーや靴下メーカーなど、関係する企業各社との協業により実現している。

 「インソールは、少しずつ足の理想形へと近づくように矯正していくという点で眼鏡と似ている。眼鏡と同様、足の状態を計測し一人ひとりに合った靴やインソール、ソックスなどを提供する“インソール眼鏡理論”を目指している」(荒山氏)。一人ひとりに合った製品を生産するマスカスタマイゼーションにもなり、現在の社会の流れにも合致する。

 さらに目指すのは、データを核とした多職種連携(IPW:Interprofessional Work)だ。「デンマークなど、海外では医師や理学療法士、義肢装具士からフットケアや靴など、幅広い複数の領域の専門職者が協働するIPWが進んでいる」(荒山氏)。足の計測データを共有することでIPWを実現できれば、足から未病対策を実施することができ、結果的に医療費削減につながるとみる。

(タイトル部のImage:出所はGetty Images)