1階で初のセクシャルグッズ販売にクレームは0件、カウンセリングでは涙を流す女性も

 伊勢丹新宿店ではこれまでも、デリケートゾーンを洗浄、保湿するようなアイテムや生理用品は、地下2階のビューティーアポセカリーなどで取り扱ってきた。だが、バイブレーターなどのセルフプレジャーテックの販売は、今年2月に行われたフェムテックフェアが初。しかも人通りが多く、注目度の高い本館1階での販売は初めてのことで、「正直、お客様からマイナスの反響があるかもしれない、と恐れていた部分もありました」と伊勢丹新宿店の婦人肌着アシスタントマーチャンダイザー、上西真由子氏は語る。

 「でも蓋を開けてみると、クレームやお叱りの言葉は1件もなく、むしろ喜びの声が数多く届きました。膣トレを友人と一緒に始めようと思うとか、伊勢丹で扱っているバイブレーターなら安心、といったお客様も。私たちも、女性がより快適に過ごすための新しい健康家電のようなイメージでご提案させていただきました」(上西氏、以下「」内は全て上西氏)

 会場のデザインにも苦心したという。「クローズドにしすぎると、怪しげな雰囲気になってしまうので、明るくオープンにしたいと思い、外からも様子がわかるように設計しました。とはいえ、プレジャーテックを扱うので年齢制限もありますし、時期的に密になることや、興味本位の男性が入ってくるのを避けたいということもあり、入口でQRコードを読み取り、簡単なアンケートに回答していただいた上で入っていただく形に」。結果、通りすがりの女性も入りやすく、混乱やトラブルもなかったという。

明るくモダンな印象の会場内で販売されたデリケートゾーンケアや膣トレ、サニタリーアイテム
明るくモダンな印象の会場内で販売されたデリケートゾーンケアや膣トレ、サニタリーアイテム
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 来場者を年齢別で見ると、30代、40代が中心でそれぞれ約3割、20代が2割弱、50代以上が1割強だったという。

 「まず、デリケートゾーンを洗う、潤すケアや、最先端のサニタリー用品への興味が高かったです。シャンプーと洗顔、ボディウォッシュを変えるのと同様、デリケートゾーンも別にケアすべきという概念は、少しずつ浸透してきた印象があります。月経カップや吸水ショーツは、生理用ナプキンによるかぶれや不快感がある人にニーズがあるほか、ゴミの削減や災害対策としても注目されています。我慢や苦痛とセットだった毎月の生理とポジティブに向き合うことは、女性を解放する大きな手段になっています」

 一方で、骨盤底筋の緩みや尿もれに悩みを抱え、膣トレグッズを購入する人も目立ったという。月経カップや吸水ショーツに加え、バイブレーターなどのセルフプレジャーテックについても、専門知識を有する女性販売員が使い方を丁寧に説明。直接目で見て、手で触れて使用感などを確認できると、ハードルが一気に下がると好評だったという。