毎月、月経が来た日をスマホやPCに記録していく月経管理アプリは、今後の周期や排卵日を予測できるため、女性の間で人気を集めている。しかし「毎回入力するのが面倒」「つい忘れてしまう」との声も多く、シャープが行った社内アンケートでは、月経管理アプリを使用している女性はまだ約半数で、利用をやめてしまった人も約20%いたという。

また月経中は、出血量に合わせて2~4種類の生理用品を使い分ける女性が多いため、買い忘れや収納の問題といった煩わしさも発生している。そこで「生理日の記録」と「生理用品の在庫管理」という2つの負担を解消し、さらにヘルスケアにつなげていく実証プロジェクトがシャープで始まった。

IoT技術を生かし、新たなヘルスケア領域を開拓していきたい

 このプロジェクトは、インターネットに接続しているIoTケースに生理用品をサイズ別に収納し、定期的に残量を計量することで使用状況をセンシング、月経の開始日や終了日を自動的にスマホのアプリに記録していくというもの。

 ケース内の生理用品の残量はアプリで確認できるため、外出先で追加購入する際の参考になるほか、将来的には出血量を推測するなど、蓄積されたデータを医療機関やヘルスケアサービスなどに提供することで、診断や健康づくりに役立てていくことも考えているという。また、生理用品の残量が少なくなるとECで自動注文できたり、その人に最適な生理商品をレコメンドしたりといった機能の付加も検討している。

生理用品が丸見えにならないよう配慮し、使いやすさと清潔感のあるすっきりしたデザインの両立を心がけたというIoT収納ケース(画像提供:シャープ、以下同)
生理用品が丸見えにならないよう配慮し、使いやすさと清潔感のあるすっきりしたデザインの両立を心がけたというIoT収納ケース(画像提供:シャープ、以下同)
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 最初にこのプロジェクトのアイデアを出したのは、シャープに入社して6年目になる寧 静(ねい せい)さん。今年の春、意を決して先輩である谷村基樹さん、栗野正雄さんに相談したという。

 「最初は、男性に生理用品を管理するアイデアを話すというのは勇気が必要でしたが、問題意識をシェアしたいと思い、オンラインミーティングを開きました」(寧さん)

 「パソコンの画面越しでも、緊張して話しているのがわかった分、共有してくれたのが嬉しかったですし、僕たちもすぐに問題の重要性について理解しました。そしてシャープならではのIoT技術を使えば、できることがたくさんあると盛り上がったのです」(谷村さん)