「人生100年」において「口周りの健康」は重要だ。しかし新型コロナウイルス感染症の影響により、「2020年学校健診後治療調査」(※1)では全体的に口腔内の状況が悪化し、虫歯だけでなく歯垢の付着や歯肉炎が増加していることが指摘されている。また、厚生労働省が作成した「介護予防チェック」(※2)を基にした各市区町村の調査では、口腔機能が低下したと回答する高齢者が増加しているという結果も報告されている。

ビジネスパーソンの場合、歯科の定期検診を受け、むし歯(う歯)や歯周病の予防に努めている人は多いだろう。一方で目が覚めたときに「奥歯が痛い」と感じたり、家族から睡眠時の「歯ぎしり」を指摘されたりするなど、自分では意識せず歯を強く食いしばる症状「ブラキシズム」を抱えている人が増えていると指摘する声もある。

東京医科歯科大学病院の西山暁准教授によれば「ブラキシズムは睡眠時だけに起きる症状ではなく、覚醒時にも起きる症状で、歯ぎしりや食いしばりなどを主体とした、顎の筋肉(咀嚼筋)活動の総称です。音が出るほどの歯ぎしりなど、睡眠時のブラキシズムを心配する人が多いかもしれませんが、覚醒時のほうも問題なのです」という。ブラキシズムはどういう状況で起き、どんな問題があるのか。ブラキシズムを抑えるためのポイント5つと合わせて聞いた。

西山 暁氏 東京医科歯科大学 歯科麻酔・口腔顔面痛制御学分野 准教授
西山 暁氏 東京医科歯科大学 歯科麻酔・口腔顔面痛制御学分野 准教授
にしやま・あきら 1969年生まれ。東京医科歯科大学卒業、同歯学研究科歯科補綴学博士課程終了。同大学歯学部附属病院顎関節治療部助教、大学院医歯学総合研究科歯科麻酔・口腔顔面痛制御学分野で講師を経て現職。また東京医科歯科大学病院 顎関節症外来の科長を務める。日本顎関節学会専門医および指導医(写真提供:東京医科歯科大学)
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