適切な診察を受ければ心配し過ぎる必要はないが

子供が口を開けづらい場合には、顎関節症の可能性はあるのでしょうか。

 医療機関を受診する患者さんの中では、小学生までは少なく、10歳代後半から増加します。口を開けるときに音がする顎関節雑音の症状の場合、痛みが全くないケースも多く、治療せずに過ごしたらどうなるかを調査した研究(※3)も世界中で行われています。それらの結果から、口が開かなくなったり、痛みが出たりといったことがあったのは1割程度で、8割以上は変わらなかったということが分かっています。つまり、小学生のお子さんで口を開けるときに音が鳴るという場合、よく開いていて痛くなければ、積極的には治療せずに、経過観察することも多いというのが現在の主な方針です。

 また、なぜ音が鳴るのかを説明した上で、心配いらないですよと説明するのですが、ごくまれに、よく調べたら、顎関節症の雑音とは全然違う原因で音が出ていたということもあります。こうしたケースの中には、まれに関節に腫瘍があるケースがあるため、注意する必要はあります。ただ顎関節症そのものは、適切に診察を受ければ心配する病気ではありません。

口がよく開くかどうか、アゴの可動域はどの程度あればいいのでしょう。

 日本人の95パーセントは4センチ以上、45~55ミリが平均値です。人差し指から薬指までを並べて、口の中にスーッと入るかどうか、下アゴが左右に7~8ミリ程度動くかどうかが目安になると思います。音が鳴る場合でも、痛みがなくスムーズに動けばさほど心配いりません。

 口の開閉時に雑音があって、さらに痛みが伴ってきてしまったという場合、あるいは頑張らないと開けられない、痛くて開けられなくなったといった場合は、顎関節症の可能性が高いと思います。