これが「工場見学」を実施する意味

 伴流氏はストーマの大手メーカーであるアルケア(東京都墨田区)と手を組んで、オストメイト向けツアーを企画したのだった。

 「アルケアさんはストーマを使用なさっている方々とのつながりがあります。そうした会社と協力し合うことで、目に見えにくい課題を解決していくことができるし、我々としては当事者の皆様との接点が持てるのです」(伴流氏)

 ツアーの柱は「温泉の大浴場を楽しむ」「工場見学」「ストーマセミナー」の3つだ。

アルケアでの工場見学(出所:KNT-CTホールディングス)
アルケアでの工場見学(出所:KNT-CTホールディングス)
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 「温泉の大浴場に浸かりたいという思いは意外と大きいのだけど、他人の目が気になる。今回は千葉県木更津のホテル三日月さんにご協力いただいて、半分貸し切りの状態でお願いしました」(伴流氏)

 実際にストーマを使っているご本人も、実は正しい知識が不足している場合がある。「破れるんじゃないか」「匂いが漏れるんじゃないか」──そうした不安を払拭するために工場見学をして製品の正しい理解を深める。

温泉でゆっくりする参加者(出所:KNT-CTホールディングス)
温泉でゆっくりする参加者(出所:KNT-CTホールディングス)
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 「袋は5枚重ねの構造で、ちょっとやそっとじゃ破れません。正しく使っていれば匂いが漏れることもない。製造の現場を見ることで製品への信頼も高まるのです。また、専門家を招いて行われたセミナーでは、使用者ご本人たちが自分たちの困りごとや工夫などを提示し合う場面もありました。企業と使用者が知恵を出し合うこうした取り組みを続けることで、今まで旅を控えてしまっていた方々がもっと自由に出かけられるようになるのだと思います」(伴流氏)

 旅は道連れ世は情け。

 旅の道連れを考え抜くことで、まさに世の情けが見えてくる。社会の課題をクリアするため、KNT-CTホールディングスはこれからも新たな旅の道連れを模索してくれるのだろう。

(タイトル部のImage:出所はKNT-CTホールディングス)