術前・術後・回復期に合わせた下着を提案
ブラジャーに入れるパットにも種類がある。大きく分けるとバストトップのカバーと形状補正のための薄手のパットと、乳房のふくらみを作るための厚手のパットの2タイプ。厚手のパットは形状やサイズにバリエーションがあり、素材も多様。手術から日が浅い場合は肌あたりが良い布製パットが、安定してきたら弾力あるシリコン製パットがそれぞれ適しているという。
「シリコン製パットは重みがあるのが特徴。乳房は意外に重く、一方を切除すると身体のバランスが崩れて転びやすくなったり、肩こりや腰痛に悩まされたりする人がいるほか、胸を目立たせないようにと不自然な姿勢を続けて側弯症になる人もいる。パットは見た目の美しさのためだけではなく、身体を守るために必要なもの」(銀座本店の原島氏)
幅広い層に人気があるのがKEA工房オリジナルの前開きインナー「ホスピタブル・ロング」だ。診察や治療の際には下着を外す必要があるので、入院前に準備して術後の経過が落ち着くまで愛用する人が多い。
「身体にストレスがかからないようにゆったりとした作りになっている。丈が長いので、ドレーン(※)の上からでも着用可能。素材は肌あたりの良さにこだわって、縫い目をすべて外側に出した。一見すると裏返しのようだが、内側がシームレスなので着心地が良い。乳がん以外の方にも使っていただいている」(原島氏)
※ドレーンとは、リンパ液をからだの外に出すための管のこと。