がん治療の目標は「苦痛のない有意義な人生の時間確保」

 プロジェクト発表会見では、宮崎善仁会病院 消化器内科・腫瘍内科 医師の押川勝太郎氏の講演や女優の古村比呂氏とのトークセッションが行われた。

トークセッションの様子。右が宮崎善仁会病院の押川氏、中央が女優の古村氏
トークセッションの様子。右が宮崎善仁会病院の押川氏、中央が女優の古村氏
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 押川氏は抗がん剤治療と緩和ケアを主体としたがん治療に24年間取り組んできた一方、2010年に宮崎がん共同勉強会を発足し、約300回の患者勉強会を開催してきた。YouTubeを活用してがん治療や診断などについて患者や家族にアドバイスなどを行っており、これまでに300本以上のコンテンツを配信している。

 同氏はがん治療と患者勉強会に取り組む中で、「アクティブ緩和ケア」という考えを提唱している。「4人家族なら2人ががんを患う今、自分や家族ががんになることを想定のうえで、いざがんになったときの動揺や混乱を抑え、精神的・肉体的苦痛の緩和方法を知っておくべき」(同氏)という考えからだ。

 抗がん剤や、その副作用対策の薬剤の進歩などがん治療が進展しているが、「せっかく治療がうまくいっても、長期間のリスクで患者と家族が不幸になったら意味がない」と同氏は指摘する。がん治療の目標は、苦痛のない有意義な人生の時間確保だと説いた。「必要以上に自信を失っている患者に対して、自信を取り戻して幸せな治療人生を後押ししてくれることをCaNoWに期待したい」(同氏)。

 古村氏は、2012年に子宮頸がんの手術を受けた後、17年に再発、その後再々発し、今年1月まで抗がん剤治療を受けていた。同氏は「治療中は、何かをやりたいとの思いを抱けなかった」と長い闘病を振り返り、CaNoWを利用できたなら「迷惑をかけっぱなしだった家族と一緒に、私が生まれ育った北海道を旅行したい」などと話した。

(タイトル部のImage:Beyond Healthが撮影)