デジタル化したところに、薬剤師の能力を組み合わせる

 効率化によって空いた時間やリソースは、従来どおりの手厚い対人業務やさらなるサービス向上に充てる。今年中にはVmaxのオプションである「BD Rowa ピックアップターミナル」を設置し、営業時間外でも服薬指導済みの薬剤を受け取れるようにするなど、さらなるIT化を計画している。陳列棚を撤去して空いたスペースには新たに無菌調剤室を設け、より高度な調剤ができるよう整備した。

陳列棚の撤去によって空いたスペースには無菌調剤室を新設
陳列棚の撤去によって空いたスペースには無菌調剤室を新設
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 その根本には、先に記したように“地域のための薬局でありたい”との強い意思がある。新型コロナの影響で薬局を訪問する患者が減少する中、イイジマ薬局では薬剤師が月平均100軒ほどの自宅訪問を実施している。「ご自宅を訪問して部屋の様子から得られる情報はたくさんある。モニター越しに相談しても細かいことまではわからない。デジタル化による利便性追求とともに、薬剤師の能力を組み合わせることが重要だと考えている」(飯島氏)。

飯島氏は「デジタル×薬剤師の知恵」の融合が欠かせないと語る
飯島氏は「デジタル×薬剤師の知恵」の融合が欠かせないと語る
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 「ここまで医薬分業が進む前は、我々のような薬局がほとんどだった。処方薬、OTC医薬品、衛生材料、医療雑貨が置かれ、まるでコンビニに薬が加わった親しみやすさがあり、皆さんが足を運んでくれた。それが今は処方薬は門前薬局、OTC医薬品はドラッグストアと明確に切り離されている。

 しかしイイジマ薬局のような形態を維持すれば、患者のファーストアクセスの場所になる。風邪をひいても、蜂に刺されても、指を切っても、処方箋をもらってもここに来れば何とかなる。絆創膏1つを買いに来た人にもファーストエイドの拠点として受診勧奨したり、健康相談に乗ったりすることができる。上田市以外の人は驚かれるかもしれないが、本来はそうあるべきだろう」(飯島氏)。

(タイトル部のImage:jozefmicic -stock.adobe.com)