「老化はとても複雑な現象で、分子や遺伝子レベルで理解するのは難しいのではないか」――。かつてはこんな見方もあった老化研究に、いまパラダイムシフトが起きている。老化のメカニズムの解明が進むと共に、新たな制御の方法論が生まれつつあるのだ。

事業化に向けた動きも急だ。2013年、グーグルが長寿研究に特化したスタートアップ、キャリコを設立したのは有名だが、国内外で成果の社会実装に取り組む企業が増えている。

とはいえ、老化制御は、時に期待が先行して伝わりやすい側面もあることには、注意が必要だろう。老化制御サイエンスの現場では、いま何が進められており、それは私たちをどこに導こうとしているのか? フィクションとファクトの境界はどこにあるのか? 老化制御サイエンスの現在地を見ていこう。