アバターでも真っ当な心理相談が可能

 今回使用するTimeRepは、これまで主に接客業務で用いられており、顔を出さずにプライバシーを守りながら接客できたり、表情のコントロールが容易になったりするメリットがある。「接客中にトラブルが発生しても、自分の顔が映っていないことでストレスを感じにくい」と高岡氏は話す。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、非接触で接客業務を実現しようとする企業が増え、問い合わせは増加しているという。

「TimeRep」の活用例
「TimeRep」の活用例
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 こうした特徴を、心の問題を抱えている人が心理相談を気軽に受けるきっかけとして活用できないかと考え、2019年からアバター心理相談の有効性について検証を行ってきた。

 例えば、アバター通信を、対面やビデオ通話、通話、チャットの4つの面接形式と比較した実験では、アバターならではの特徴が心理支援の評価を高めることが示唆されたという。表情やジェスチャーなどの非言語情報の豊富さや対面性の低さが寄与しているようだ。動きのあるアバターと動きのないアバターを比較すると、動きによって非言語のコミュニケーションがとれるアバターを使った方が、相談者と心理士の信頼関係の形成につながりやすいことも分かった。

 アバター通信を用いた場合でも、相談者と心理士の信頼関係を構築して、対面と同様の心理相談が可能であるということも確かめられたという。「アバターだからといって、ゲームのようにならずに真っ当な心理相談ができることが分かった」と高岡氏は話す。こうしたアバター心理相談の有効性が検証できたため、サービス開発に着手したというわけだ。