地域振興やインバウンド需要にも期待がかかる

 実際、楽しいひとときだった。山を歩き、自然のなかで食事をするのが気持ち良かった上、ガイドにより随所で学びの好奇心が刺激され、頭のなかもリフレッシュした気分。さらに印象深かったのは、このトレイルのためになにかを新しく設けたのではなく、地元の人にとっては馴染みの場所を歩くことだ。

木を頼りにして体を伸ばし、体のバランスを整える指導の後、地面に横たわり、深呼吸。ツアー終了後も日常の暮らしに活かせる術となる
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木を頼りにして体を伸ばし、体のバランスを整える指導の後、地面に横たわり、深呼吸。ツアー終了後も日常の暮らしに活かせる術となる
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木を頼りにして体を伸ばし、体のバランスを整える指導の後、地面に横たわり、深呼吸。ツアー終了後も日常の暮らしに活かせる術となる

 「ヒバで栄え、森林鉄道の拠点だった金木の資産の有効活用のひとつが、このDAZAI健康トレイルなんです。金木が発祥の地である津軽三味線も含め、観光コンテンツの一環だと思っています。ヘルスツーリズムの認証へといち早く動いたのは、誘客もさることながら、新たな地域産業、ビジネスであることを地元にきちんと理解してもらいたかったからなんです」

 地元での認識が高まれば、今後の後継者づくりにもつながるのではないかという。冬場には、スノーシューと呼ばれる現代版のかんじきを履いて歩くトレイルが行われるが、ストーブ列車で知られる津軽鉄道のインバウンド需要が高いことを考えると、将来的な可能性を秘めていそうな気もする。

モリアオガエルの生息地を観察する山口氏。トレイルコースの周辺にはニホンカモシカ、ニホンザルなども潜んでいるという
モリアオガエルの生息地を観察する山口氏。トレイルコースの周辺にはニホンカモシカ、ニホンザルなども潜んでいるという
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 そう、ヘルスツーリズムは参加者の健康だけではなく、まちの活性化、すなわち地域振興においても大きな役割を担っている。次回はその理由をさらに紐解き、ヘルスツーリズムの認証制度が生まれた背景や、将来的な展望についても探っていきたい。

(タイトル部のImage:松隈 直樹)