Beyond Healthは2021年11月19日、円卓会議「健康で幸福な人生100年時代の実現へ『がんと行動変容』を考える」を東京都内で実施した。

円卓会議の様子(写真:川崎 樹音、剣持 悠大)
円卓会議の様子(写真:川崎 樹音、剣持 悠大)
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 今回の会議は、昨年9月に「がんスクリーニング」をテーマに実施した円卓会議の続編となるもの(前回の円卓会議の概要は本ページ下部のカコミ参照)。その際の議論を踏まえつつ、テーマの一つだった「一人ひとりの意識改革」でトピックとなった「行動変容」に焦点を当てた。

 具体的には、「がんにならない」あるいは「がん罹患後に社会と共生する」ための行動変容をテーマとした。ただし、一人ひとりの「個人」としての行動変容に閉じた話ではなく、企業や社会としての行動変容などを含む多様な視点からの議論を展開した。

 会議に参加したメンバーは次の通り。

[座長]
日本学士院長、京都大学名誉教授・元総長 井村裕夫氏

アフラック生命保険 取締役上席常務執行役員 宇都出公也氏
目白大学 看護学部看護学科 教授 野澤桂子氏(前・国立がん研究センター中央病院 アピアランス支援センター長)
医療法人社団鉄祐会 理事長 武藤真祐氏
日立製作所 フェロー ハピネスプラネット代表取締役CEO 矢野和男氏
日経BP 総合研究所 戦略企画部長 髙橋博樹
(日経BPを除き氏名50音順)

[進行役]
日経BP 総合研究所 上席研究員 Beyond Health編集長 小谷卓也

 今回の円卓会議では、「がんと行動変容」に関連して登壇者それぞれが取り組んでいる「私たちの取り組み」の紹介と、「フリーディスカッション」を実施した。その詳細は本特設サイトで順次、お伝えしていく。


【今回の議論のベースとなった前回の円卓会議の振り返り】

健康で幸福な人生100年時代の実現に向けて、がんの早期発見を実現する社会を構築する。それには、個人の行動変容やリテラシー向上、新たな検査技術の社会実装、インフラの整備などにつながる取り組みを、社会全体の知恵を結集して進めていくことが不可欠だ。様々な立場からがん早期発見社会の実現に挑む有識者が、「がんスクリーニング」を語り合った。

会議後に参加メンバー全員で撮影した写真(写真:剣持 悠大、以下同)
会議後に参加メンバー全員で撮影した写真(写真:剣持 悠大、以下同)
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 Beyond Healthは2020年9月29日、有識者を交えた円卓会議「健康人生100年の世界を実現するために『がんスクリーニング』を考える」を東京都内で実施した。今回の会議では、「がんスクリーニング」を「生活者の中から、がんに関する検診や医療インフラに行くべき人をふるいわけること」と定義。がんの早期発見につながる個人の行動変容やリテラシー向上、新たな検査技術の開発、それらの社会実装に向けた協働の可能性と課題などに焦点を当てた(関連記事)。

 座長は、かねて「先制医療」という考え方を提案している日本学士院長、京都大学名誉教授・元総長の井村裕夫氏が務めた。同氏は冒頭、「先制医療の実現は、社会全体が関わる必要がある。今回のメンバーによる議論にはとても期待している」と語り、会議がスタートした(関連記事)。

議論の様子
議論の様子
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 議論は、「一人ひとりの意識改革」「異業種連携・新たなプレーヤーの参画」「医療との正しい連携」という3つのテーマに分けて進んだ。その内容を踏まえ、最後に「【宣言】がんスクリーニングを社会に」を全会一致で採択した(関連記事)。

 会議に参加した外部有識者は次の通り(氏名50音順、肩書などは当時のもの、クリックすると各有識者の取り組みを紹介した記事にリンクします)。

富士通 健康推進本部 健康事業統括部 統括部長 東泰弘氏
国立がん研究センター 理事長 中釜斉氏
ディー・エヌ・エー 代表取締役会長 南場智子氏
キャンサースキャン 代表取締役社長 福吉潤氏
アフラック生命保険 執行役員 森本晋介氏


3つのテーマで議論を展開

 前述の3テーマ別に進んだ今回の円卓会議の議論の詳細は以下の通りである。

【テーマ1】一人ひとりの意識改革
最初の議論テーマは「一人ひとりの意識改革」。つまり、「個人」に焦点を当てた議論である。がんの早期発見に向けては、一人ひとりががんという病を“自分事”としてとらえる意識や、それを支えるリテラシーが不可欠だ。では、個人の行動変容を促したり、意識を高めたりするためには、どんな打ち手が考えられるのか──そんな視点から、議論が繰り広げられた(関連記事)。

【テーマ2】異業種連携・新たなプレーヤーの参画
続く議論テーマは「異業種連携・新たなプレーヤーの参画」。がんの早期発見に向けた新たなスクリーニング技術の開発やその社会実装に向けては、これまで直接的に医療やがん分野に携わっていたプレーヤーだけでなく、幅広い業種・業界の知恵の結集が必要になる。異業種連携の意義や新たなプレーヤーの役割とは──そんな視点での議論が繰り広げられた(関連記事)。

【テーマ3】医療との正しい連携
最後の議論テーマは「医療との正しい連携」。テーマ2でも話題になった、血液などからがんを診断する新たながんスクリーニング技術。現在、様々な研究開発があちらこちらで進んでおり、注目を集めている。こうした技術の社会実装に向けては、医療との正しい連携のもとで、想定される課題の理解や社会的コンセンサスの構築などを進めていく必要がある──そんな視点から、意識すべき幾つかのポイントが示された(関連記事)。

(タイトル部のImage:川崎 樹音、剣持 悠大)