「当事者の主体性の回復」こそががん検診の役割

 アフラックは、創業当初から、がん検診の推進やがん啓発を全国各地で展開してきました。

 今では、全国113の自治体と提携して啓発活動を行い、がん検診受診率の向上に努めています。11万人におよぶ私たちの募集人の皆さんは、がん保険の営業に際して、がんに関する啓発やがん検診の受診促進も併せて行っています。

 それも、「がんとは不治の病である」という固定観念を変えていきたい、という強い想いからでした。アフラックが日本で初めて「がん保険」を発売した1974年当時、「がん」という病名が本人に告知されることは、極めてまれなことでした。私自身、医師になった1980年代でも、まだ半分も「がん」という病名を告知していませんでした。当時は、本人に対してだけでなく、口にするのもはばかられていた時代であり、「がん」にかかったと知った時の当事者の無力感、それは現在では想像もつかない重いものであったと思います。

 そのような時代に、「がん」を早期発見・早期治療することで「がん」を克服する、「がん検診」のこの考え方は、「がんは不治の病である」という固定観念を変えたい、言い換えれば、「がん」に対する当事者としての主体性を回復したい、という社会全体の願いを体現したものでした。

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 アフラックのグループ会社が、がんに関する新しいテクノロジーに挑むスタートアップに積極的に投資しているのも、同じ想いからです。リキッドバイオプシーを含む、がんスクリーニングの企業などに投資していますが、真に社会全体のためになる解決策を応援したいと考えています。

 2020年1月には、ヘルスケアサービスを提供する新たなグループ会社、Hatch Healthcare(ハッチヘルスケア)が設立されました。同社では、ほとんどの子宮頸がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を自己採取で確認できるキット「&Scan HPVセルフチェック」を提供しています。高い感度と特異度を備えており、HPVの型もわかるのが特徴です(HPVは型によって、異形成ががんに発展するリスクが異なる)。また、検査後に適切な診療につなげるプロセスをセットとして提供しており、適切ながん検診を勧奨するツールとして、好評いただいています。

 アフラックは、「がんの患者さんとそのご家族の精神的負担や経済的負担を少しでも軽減したい」という創業の想いをコアバリュー(基本的価値観)の一つとし、社会的課題を解決することを通じて経済的価値も創出する「CSV経営(CSV=Creating Shared Value、共有価値の創造)」を実践してきました。私たちは、がんスクリーニング検査の結果がいたずらに恐怖や不安を煽るものであってはならないと考えています。また、社会全体の便益と費用全体に常に配慮し、過剰な検査や治療を誘発することも避けなければなりません。「&Scan HPVセルフチェック」は、より負担の少ない方法でより早期の病変を発見するツールであるだけでなく、検査結果の持つ意味を明確に示し、また、適切な治療への橋渡しとしての役割を果たすことで、真に社会に安心を提供するがんスクリーニングを目指しています。(談)

(タイトル部のImage:川崎 樹音、剣持 悠大)