●注目キーワードは「特養倒産時代」

一般的に「特別養護老人ホーム(特養)」と呼ばれる施設は、介護保険法に照らした正式名称を「介護老人福祉施設」という。社会福祉法人や地方自治体が運営母体となる公的な施設だ。

2015年からは要介護3以上でないと原則入居不可となったが、国からの助成金や税金の優遇があるため、入居者の利用料は15万円程度と比較的割安だ。さらに公的施設であるからこそ、運営は安定している。

そう思われて来た特養だが、2022年には倒産する施設が出てくるかもしれない。その背景には何があるのか。介護ジャーナリストとして特養の状況に詳しい末並俊司氏に聞いた。


 「公的施設の特養は安定している、倒産なんてしないと思われがちですがそんなことはありません」

末並俊司氏 介護ジャーナリスト
末並俊司氏 介護ジャーナリスト
93年日本大学芸術学部を卒業後、テレビ番組制作会社に所属。09年からライターとして活動開始。両親の自宅介護をキッカケに介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)修了(写真:本人提供)
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 介護ジャーナリストの末並俊司氏はこのように語った後、こう続けた。

 「2022年は特養倒産時代の幕開けになるかもしれない」

 万全と思われて来た特養の運営にどんな闇があるのか。

 「広島県福山市などで特養を運営する社会福祉法人サンフェニックスが2021年9月28日に民事再生手続きに入ることが決まりました。負債額は60億円とも70億円とも言われています。本格的な再生は今年3月くらいからの予定ですが、社福としては大型の破綻として業界を騒がせています。私はこうしたことが今後も増えてくると思っています」(末並さん)