「健康」を超えて

安達 今、まさに病院外をフィールドに、そこへ異業種が参入して、新しい健康・医療ビジネスが立ち上がろうとしているわけです。

 そんな状況下で我々日経BP総研では、ウェブメディアでの情報発信を中心とした健康・医療ビジネスに関するプラットフォーム「Beyond Health」をスタートさせようとしています。

高橋 健康・医療分野のディスラプティブイノベーション(破壊的創造)は、大きなインパクトをもたらします。産業構造を変え、人々の価値観を変えていくはずです。大手企業ばかりでなく、様々なスタートアップだったり、医師発ベンチャーだったりと、多種多様なプレーヤーが参入し始めている。彼らの知恵を集めれば、もっとイノベーションは加速できるはずなんです。

日経BP総研 戦略企画部長/ソリューション・アーキテクト 高橋 博樹(たかはし ひろき)
日経BP入社後、インターネット草創期のビジネスモデルづくり、ICT、建設など幅広い分野を担当。2015年9月、日経BP総研の発足と同時に戦略企画部長に就任、現職。「Beyond Health」を創案、事業責任者も務める

 ただ、例えば医師の人たちが、自分たちの領域を超えた部分でのITの可能性について深く理解しているかというと、必ずしもそうとばかりは言えません。逆もそうですよね。そこで、ヒトとモノとアイデアが集まってくるハブとなるような、 大きなプラットフォームが必要になってきます。

 そのために我々は、まずこの分野における強力な情報発信拠点をつくる。メディアとして支持され出すと、逆に情報が集まってきます。するとよりクオリティーの高い情報を発信することができるようになり、サステナブルな成長を続けることができるのです。

小谷 これまでの健康・医療ビジネスにおける課題の一つは、「健康であること」という標準解に人を近づけようとするサービスばかりになっていることだと考えます。

 今、ビジネスの世界では多くの企業が「健康経営」に注力しています。ただし、たとえ社員が健康であっても、やりがいや幸福感を感じていなければ、パフォーマンスの最大化にはつながりません。つまり、「健康であること」だけを目的化するのではなく、その上で個人や組織が成し遂げたい多様な価値観までを考慮していく視点が不可欠です。

大滝 これは、ヘルスケアの価値をより大きく解釈していこうという話でもあります。だからこそ、ヘルスケアのコア部分のプレーヤーではない人たちも交えて、一緒に新しい世界を創出していく必要がある。

 そんな意味も込めて、新しくスタートさせるプラットフォームには、「Beyond Health」という名前を付けたのです。

(タイトル部のImage:加藤 康)