ヘルスケアを「コスト」から「投資」へ。そんなコンセプトを掲げて2011年に創業したミナケア。東京大学医学部を卒業後、循環器内科などに従事。同時に、日本人医師として初めてハーバードビジネススクールを修了(MBA)した経験を持つ山本雄士氏が立ち上げたベンチャー企業だ。最近では、厚生労働省と経済産業省が共同で実施した、ヒトと先端技術が共生する未来の医療の在り方を検討する「未来イノベーションワーキンググループ」の委員をはじめ、さまざまな立場からヘルスケアのイノベーションにかかわっている。同氏に話を聞いた。

(聞き手は小谷 卓也=Beyond Health)

ミナケアの創業は2011年。最近では健康・医療系のベンチャーが増えてきていますが、こうした時代の変化と、その中でのミナケアの立ち位置を教えてください。

 健康・医療業界に参入する人が増えた、これは明らかな流れとしてありますね。2000年代の医療系ベンチャーといえば、ほとんどが創薬をメインとするバイオテック関連でした。ところが最近では、医療×IT系のベンチャーがぐんと増えてきています。医師による起業が増えたこと、投資マネーが流入してくるようになったことも最近の流れですね。

 こうした医療IT系ベンチャーの多くが手掛けているのは、病院のため、製薬会社のため、病気で困った人のため、というビジネスです。それとは別に、健康になるためのビジネスもあります。そうした新しいビジネスを見て私はよく、「パチンコ屋 対 スマホアプリ」と同じことが「フィットネスジム 対 健康アプリ」で起きているというたとえ話をするんです。つまり、同じパイに対するサービスの提供手法の違いであって、パイ自体が大きく拡大する気がしない、と。ミナケアが手掛けているのはそこではありません。

ミナケアの山本氏(写真:寺田 拓真、以下同)

 例えば、あるサービスによって1人の医師が診られる患者が1.2倍ぐらいになる。そうした取り組みも必要ですし、より簡単に健康増進ができるようになる取り組みも重要です。でも、今、求められているもっと大きな社会的インパクトは別のところにあると考えています。