レッドオーシャンになる可能性があるヘルスケア領域

起業から5年が経過し今後、活動範囲を広げていく予定はありますか。

 そうですね、青臭いと言われるかもしれませんが、これからはもっと社会貢献をしていきたいと思っています。今は主に病院や学会を対象に医療コミュニケーションを活性化する業務を手掛けていますが、地域と組んで、その地域の医療者も巻き込んで医療の啓発を広く行っていけたらいいなとは思っています。

 実は今、「足うらフェス2019 フォトキャンペーン」というのをやっています。足を守ることは健康を守ること、として、下北沢病院(東京都世田谷区)の先生らと一緒に、一般の方向けに足の健康を守るための様々なプロジェクトを展開中です。その一つが、フォトキャンペーンで、「足の裏が映っている」写真を投稿して優秀作品に選ばれれば、豪華賞品をプレゼントするという企画です。普段見ない足の裏を見る、写真を撮る、そのアクションが足を守ることにつながるかもしれないとの思いで始めました(足うら写真への投票は6月26日まで受付)。

今回インタビューさせていただいた「Beyond Health」は、健康・医療分野でイノベーションを起こしたい人のためのウェブメディアです。先輩起業家のお一人として、ヘルスケア領域への進出を考えている人たち向けのアドバイスをいただけますか。

 アドバイスというとおこがましいかもしれませんが、ヘルスケアに関する領域は、早晩レッドオーシャン(競合が多過ぎて市場が飽和し、今さら参入しても稼げない市場)になる可能性があると思うんですよね。AI(人工知能)の分野などは既にその域かもしれません。そういった世の中の潮流で、何かこれ面白いんじゃないか、取りあえずヘルスケアをやっておけばいいんじゃないか、という浅はかな考えはやめた方がいいなと思います。

 自分自身のコンセプトですよね。やっぱり血の通った、地に足が着いた、己は人として、ヘルスケアの世界で何をやりたいのか、もしくはどういう問題を大きく感じているのかを明確にして、きっちり解決法を考えて実践していく。そのパッションは不可欠だと思っています。

 私の場合ですが、やっぱり医学というのは、そもそも目の前で人に死なれては嫌だからやっているんですよ。死ななければ別にやる必要はない。人は理不尽に死ぬ、何もしなきゃ死ぬ。その憤りが根っこにあるから、医療者は頑張れるし、医学は発達してきたと思うんですね。

 だから、医療をはじめとするヘルスケア領域に新しく飛び込む人には、今こんな問題点があって、これは解決できてない、だから自分が解決してやろう、世の中のハードルが高いなら、そこを変えてやるぐらいの熱い思いで突き進んでほしいと思います。

(タイトル部のImage:陶山勉が撮影)