無制限に画素密度は上げられない

 ただ、それだけでは、画像を取り込んだり映し出したりできないので、先端に非常に小さい対物レンズを付け、もう片方で、拡大鏡のようなもので拡大して、その上で見る。これを、例えばTVカメラなどに結像することで、モニター画面上で画像が見えるというのが基本構造です。さらに、血管用では内腔全体に十分な視野を確保するため、先端から疎血液を流して血液をフラッシュ(排除)するのですが、その際のフラッシュの位置と量の適正化が難しく、何度も改良を重ね、血流維持型血管内視鏡として製品化にこぎつけました。

妻沼さんはエンジニアとして、その開発一筋に注力されてきたと。

 そうですね。イメージーファイバーそのものを開発したんです。当時、国内の光ファイバーメーカーは三菱、古河、住友など大手だけでも4、5社あったんです。各社で同じようなことが考えられて作ってはいたんですけど、結局それをどういうふうに応用していくかというところが難しくて、皆さんほとんど諦められ、現在残っているのは私たちのイメージファイバーだけですね。血管内視鏡という用途で児玉先生が当初から本当に力を入れられていたので、それが世に出たときには、センセーショナルな話題になりました。

先生方とともに血管の中を見たいという大きな目標と熱意があったため、それが実現したんですね。光ファイバーのそれぞれのコアを遮光していく、その周辺の包み込み具合が大変だそうですね。

ファイバーテック最高技術顧問の妻沼氏(写真:寺田拓真)

 そうなんです。先生方からもっと画素数を増やして鮮明な画像を、という要望があり、より細く細くと努力していったんですけど、やはりそれぞれのファイバーの遮光性がきちんと保たれていないと露光して、画像が不鮮明になってしまうんです。ハレーションみたいな変な感じになって無制限に画素密度を上げられません。少なくとも鮮明な画像が反復できるような画素数は3000本なんです。3000本ぐらいが1単位にならないと、いわゆる画像にはならないんです。ですから、さらに3000本から6000本にできましたが、この辺の開発は大変難しかったですね。