涙道用内視鏡として眼科領域にも応用

血管内視鏡を使用している病院はまだ限られています。先生方の熱意があっても、メーカーとしたら市場性がないと諦めたりするじゃないですか。そこはどうして続けてこられたんですか。

 日本発の技術であるという点が、一番大きいと思うんです。今では、通信用光ファイバーは一般化していて、世界中にメーカーはそれなりにあるんですけれども、このイメージファイバーを作っているのは本当にうち1社みたいな形になっていて、ほぼ独占と言ってもいいのかもしれない。世界初のオリジナリティーがあり、日本発の技術、やっぱりこういう技術を持ち続けることが非常に重要だと考えています。

 将来性についても、これまで冠動脈の方だけで使われてきた血管内視鏡が、ここに来て、児玉先生のチームが大動脈の観察にも使えると(動画1)。この辺は私たちも非常に期待しています。今後日本だけじゃなくて世界への展開というものも含めて、ぜひやっていきたいと、私たちのモチベーションになっています。

動画1●70代男性の大動脈内視鏡像

粥腫(プラーク)に小亀裂や一過性の血液流出を認め、コレステロール結晶などが湧出、浮遊している。(動画提供:日本血管映像化研究機構)

血管以外の用途についてはどうですか。

 イメージファイバー単体であれば、既に泌尿器科や産婦人科用に、ドイツのメーカーが私たちのファイバーを使って製品化しています。私たちも、眼科領域において眼内内視鏡や涙道用内視鏡を開発しました。眼内内視鏡は、従来の顕微鏡下硝子体手術では視野確保が困難だった角膜や水晶体の混濁・裂傷など、眼底の透視が困難な硝子体手術や緑内障手術の際に使用します。涙道用内視鏡は、従来観察不可能だった涙道内腔全体の観察を可能にしたイメージファイバーで、鼻涙管閉塞などの症例の観察に用います。ステントのようなチューブを涙道に留置しある程度広げて、後からそれをもう1回抜いて涙路を確保するという手技です。これも日本発の医療機器なんですね。だからこれを世界に何とか広めていきたいと、先生方といつもお話しさせていただいています。

 また、消化器内視鏡としてオリンパスさんとか富士フイルムさんがやっておられるものと方向性は同じですが、ファイバーに代えて電子内視鏡化はしていこうと考えています。先生方からも解像度をもっと上げたいなどのご要望がありますので、それにマッチするようなものを開発していきたいと考えています。その際も、やはりいかに小さく作るか、仕上げるかというところが非常に技術の要るところですが、弊社と親会社のフジクラを含めて、小型化というオリジナリティーの技術が生かせるのではないかと思っています。

(タイトル部のImage:寺田拓真が撮影)