プラットフォームを提供するのが我々の役割

それは何が違うのでしょうか?

 お客様のニーズを把握して、そのニーズに合わせてシステムなどを開発して納入、メンテナンスするのがITソリューションの考え方です。それは普通のITベンダーのやり方です。日本にも中国にもたくさんそのような会社はあります。

 我々は、DNAから違っています。HCDLがいつも考えていることは、プラットフォーム上で会社と会社が上手く連携して、お客様に対してトータルソリューションをいかに提供できるかということです。だから、システム自身はもしかしたらITソリューションを提供している会社と似たように見えるかもしれません。ただ、このシステムは納入することで終わるのではなく、システムを納入したときに、初めて成長が始まります。システムを納入してからそのプラットフォームを駆使して、フルサイクルの健康サービスをエンパワーメントする。それがHCDLの使命です。

 このことは、CtoMという戦略に基づくものです。BtoBやBtoCなどはよく言われますし、アリババなどが成功してからは、CtoBという言葉も徐々に出てきました。お客様からインターネット経由で、直接企業と取り引きをするという意味です。これからの世界は、お客様のニーズをいかに早く汲んでサービスや製品を提供できることが勝負の分かれ目です。我々はCtoBを若干直して、CtoMと表現しています。Mはメーカーという意味です。メーカーというのは、製品とサービスを提供する側のことです。

 そして我々はこの「to」のところが非常に大事だと思ってます。CとMをつなげるところです。お客様のニーズをいかに収集して、分類して、ラベルリングして整理する。そしてM側はちゃんとお客様のニーズを分かるようにする。こういったプラットフォームが非常に重要です。

具体的には、どのようなプラットフォームを築こうとしているのでしょうか?

 例えば、どこか分からない場所に行きたかったら地図のアプリを開く、あるいはどこかのレストランに行きたかったらグルメのアプリを開く。それと同じように健康に関することはすべて我々のアプリを開くことから始まる、そんなシステムを構築できるプラットフォームを目指しています。お客様は都市に住んでいるので、この全体を「スマートシティーヘルスエコシステム」と呼んでいます。

 1つの都市を考えたときに、健康に関するものとしては薬局とか医療サービスや保険などいろいろあります。例えば、これらの実業は、復星集団(フォースングループ)*1でもいろいろ手掛けています。我々が目指すのは、自分自身でも自分の子どもでも、健康に何かがあったらこのアプリを起動する。アプリを通じて質問をしてみたり、あるいは医療サービスを探してみたりする。そういう環境を提供したいのです。

もう少し仕組みを詳しく教えてください。

HCDLが描くスマートシティーヘルスエコシステムの概要(出所:上海星康鏈科技)

 全体的なサービスは、クラウドの仕組みを利用して構築します。いわゆる、IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、SaaS(Software as a Service)に分けて運用をします。このうち、HCDLは主にPaaS、すなわちプラットフォームの部分を構築する役割を担います。アプリケーションが稼働するためのデータベースやプログラムの実行環境などを提供します。

 IaaSの部分に関しては、我々もよく分析しました。ご存知のように、「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」や「マイクロソフト・アジュール(Azure)」、「アリババクラウド」など、すでに何社かで80パーセントぐらいのシェアを取っています。この分野でいくら戦っても意味がない。ですから、ここの部分はほかのサービスを活用します。

 SaaSの部分に関しては、現在、いろいろな会社がサービスを考えています。彼らの力をできる限り合わせられるようなプラットフォームを考えれば、中国ナンバーワンの健康クラウドができる。それがHCDLの狙いです。そのために、フォースングループはいくつものソフトベンダー、主にはスタートアップですが、彼らに投資もしています。