リーダーとは、1人のカリスマのことではない

「2025年、介護のリーダーは日本のリーダーになる。」を企業ビジョンとして掲げていますね。

 この言葉を掲げたのは起業したての頃。学生時代からいわゆる2025年問題が取りざたされ、介護の問題がますます深刻化する、危機的な状況になると言われてきました。私は2025年に35歳を迎えますが、社会の中心となって活躍するためにどうあるべきかを考えたのがきっかけです。

 学生時代の介護施設でのアルバイトでは、介護する側の自分がどのように接するかで、被介護者、または被介護者の家族の方々の人生が決まってしまうような重みを肌で感じました。例えば認知症を患っている被介護者の中には、自分の言葉を自らの意思で発することができず、思うように活動することすらできない人もいます。その課題に思いやりを持ち、何とかしてあげようと奮闘する現場のプレーヤーたちが、どのようにしてリーダーシップを発揮できるか。そのアプローチを探ることが非常に重要だと気づいたのです。

 ですからビジョンに掲げているリーダーとは、強力な指導力を持つ1人のカリスマのことではありません。現場でリーダーシップを発揮できる、一人ひとりの人たちを意味しています。

2019年7月に開催したイベントでのゲストと運営メンバー(出所:Join for Kaigo)

 今では介護領域にはさまざまなマーケットから事業者が参入してきていて、サービスが飽和気味です。でも、最もニーズを知っているのは現場に他なりません。介護や福祉と真摯に向き合った先に、介護だけではなく他の人も幸せに暮らせるような地域環境が少しずつ生まれ始めています。そう考えると、私たちが介護領域で新たなアクションを起こせば、社会全体がそれぞれの地域ごとに豊かになっていくのではないか。そうした思いをこのビジョンに込めています。

Join for Kaigoの構成メンバーは?

 現在、社員6人と業務委託2人。ただ、KAIGO LEADERSのイベント運営は、多くのプロボノ(ボランティア)に支えられています。具体的には、介護職や医師、看護師、専門職、PR、営業、ライターなどのそれぞれの分野の専門家が、業界にとらわれず集まり、空いている時間で貢献できたらとの姿勢でジョインしてくれています。

 それぞれ広い意味で介護に課題意識を持っていたり、何か行動を起こしたいと考えていたりする人たちです。元々はイベントの参加者だった人たちが、「無償でもいいから活動を支援したい、運営したい」との気持ちでジョインしてくれるケースがほとんどです。弊社の取締役は大手介護事業会社の採用部門の部長を経験した人物なのですが、実は彼も最初はイベントの参加者なんです。