障害のある人が楽しみながら成長できる空間

コンセプトディレクターとして設計に関わった神戸アイセンター病院(2017年開院)2階の「Vision Park(ビジョンパーク)」が、グッドデザイン賞やIDEA賞をはじめとして、多くの受賞に輝きました。

 ユニークなケアを行う眼科医として仕事をしていたことから、世界で初めてiPS細胞(人工多能性幹細胞)の移植で眼の難病である加齢黄斑変性の治療法の開発に取り組む高橋政代先生(現・ビジョンケア社長)から、お声がかかりました。再生医療と両輪として、診療から研究・治療、臨床応用、リハビリテーションまでを行う新病院を立ち上げるので、リハビリ機能を担当するエントランスの空間設計を手伝ってほしいと。

ビジョンパーク内のボルダリング施設。ルートのホールドが順番に点灯し正しいホールドを持つと荷重センサーにより音が鳴るため、視覚障害のある人も楽しめる。(写真:山本 尚侍)

 友人の建築家である山崎健太郎氏の協力を得て、公園のように様々な人々が行き交う場所を構想し、あえて安全な段差などを採り入れ、視覚障害のある人が楽しみながら成長できる空間が完成しました。

 アイセンターには、視覚障害者の支援をする公益社団法人「NEXT VISION(ネクストビジョン)」がありますが、実はその代表理事を務めているのは、眼科医である父の三宅養三(名古屋大学名誉教授・愛知大学前理事長)です。父は昔から「研究しない医者は医者でない」が口癖で、当初は私の仕事に反対していましたが、今は情報障害を減らすという意義を理解して認めてくれています。私も理事に名を連ねることになりました。