医療情報のプラットフォーム事業を手掛けるスタートアップのメディカルノート。2014年の創業当時から“「医師」と「患者」をつなぐ”というビジョンを具現化してきた。“「情報」と「消費者」をつなぐ”ことをコンセプトにしている他の多くの医療・健康情報を発信するメディアとは「つないでいるもの」が根本的に異なる。そこには、同社の代表取締役の井上祥氏自身が診療経験を持つ医師であり、医師・医療側の目線での発信という独自の強みがある。同氏に話を聞いた。

「医師」側から「患者」に伝えたいことを直接届ける

メディカルノートは2020年4月30日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する最新の医療情報を集約した特設サイトをオープンした。医師会や医療系学会、医療の現場で活躍する「医師」の側から、「新型コロナウイルスで不安を抱えている患者にとって有益な情報をメディカルノートで積極的に発信してほしい」という要請が、メディカルノートや井上氏にダイレクトに届くのだという。

4月30日にオープンした「今、医師が届けたい 新型コロナウイルス感染症(Covid19)最新情報 特設サイト」。日本医師会の横倉義武会長をはじめ、医療界から患者向けの発信をまとめている(出所:メディカルノート)

 即時性のある情報発信という点ではテレビやニュースにはなかなか及びませんが、正直なところそうしたスピード感で他のメディアに勝とうとは思っていないのも事実です。我々がそれ以上に重視しているのは「どのような疾患を持つ人が、今どんなことに困っているのか」という問題を丁寧に導き出し、さまざまなエビデンスに基づく医師発信の精度の高い情報を通じて患者さんのニーズに確実に応えること。

 当サイトならではの特色となっているのが、「新型コロナ×基礎疾患」「新型コロナ×妊娠」というように、リウマチや糖尿病など特定の基礎疾患をお持ちの方や、高齢者、妊娠中の方やお子さんなど感染した場合の不安がとりわけ大きい方に特化した情報を提供していることです。

「今回の新型コロナウイルスの情報発信においても自分たちらしい切り出し方ができているのではないかと思います」と、語る井上氏(写真:的野 弘路)

 新型コロナウイルスは基礎疾患を持つ方や妊娠中の方などただでさえ自身の健康に対して慎重にならざるを得ない方々に「新たな心配事」をもたらしましたが、こうした事態に対して多くの医師から「最新の正しい知識や情報を伝えたい」という声が我々のもとにすぐに届きました。