正直、最初は「どうなんだろう?」との気持ちがあった

それぞれナース人材を事業の対象にしているとはいえ、レバレジーズは人材の紹介・派遣、エピグノは人材の定着ですから、一見するとビジネスの面では相反する関係にも感じられます。今回、業務提携を結ぶに至った経緯は?

 Epignoナースの対象は、ナースが50人以上、病床が80床以上と、ある程度の規模の医療機関を想定しています。一方で我々はエンジニアを中心としたテック系スタートアップのため、営業・販売部門を自社で抱えて全国展開するのは厳しい現実があり、セールスのアライアンスを組める企業を探していたのです。

エピグノ 代表取締役の乾文良氏(写真:小口 正貴)

 こちらとしては、現場のナースと直接話すことができ、ナースのペインを理解している企業と組みたかった。そうなるとナース関連のソリューション、中でも人材紹介や派遣サービスが最適との仮説はありました。なぜなら退職・転職理由やエンゲージメント(やりがい)、モチベーションに詳しいからです。

 そんなとき、レバレジーズさんから提携のお話をいただきました。でも、よく考えてみると目的が相反しているわけですよね。人材紹介・派遣サービスは退職した人たちを送り込むことで利益を得て、我々は定着によって利益を得るビジネスモデル。正直、最初は「どうなんだろう?」との気持ちがありました。しかし「今後は定着支援にも力を入れていきたい」という熱い思いや、クライアントファーストの姿勢を聞いてぜひ一緒に取り組もうと決めました。

溝口 最初に乾さんとオンラインミーティングをしたときにそのロジックを聞いて「もっともだな」と。人材サービス企業としては、やはり目的からずれる部分もあります。ですが定着支援への思いは、私がメディカル事業を立ち上げた2011年から抱いていたものだったんです。

 現場を見ていると、「できることなら今の職場に残って仕事を続けたいのに、どうしてもここでは働けない」と後ろ向きに考えてしまう人たちがたくさんいます。そんな人たちに限って優秀な人材であることが多く、このままでは医療・介護業界が一向に良くなる気配が感じられなかった。

 そこで入職支援、仕事の機会の提供といった入口の先にある“人材の定着”をフォローしたいと常々考えていました。約10年が経ち、メディカル業界からの信頼度も向上した今なら、ずっとやりたかった定着支援を実現できる──そのタイミングで折よくエピグノさんのサービスを知り、二人三脚で進めようと思ったわけです。