先制医療は、医療提供者だけでは実現できない

病気が起きてから対処するのが今の医療ですが、先制医療はその前段階のフェーズに介入していこうという考え方ですね。

 そういうことです。健康寿命が長い社会を実現するためには、ヘルスケアの在り方を変えていかなければなりません。現在の医療制度では、医師を含め医療提供者の大部分は病院または診療所で、不調を訴えてくる人を待ち構えている。いわば、人々が病気になるのを待って、診療行為を行っているわけです。

 しかしそれでは、高齢者がNCDを発症し要介護状態になるのを防ぐことはできません。医療は受け身から能動的姿勢に転換することが求められています。それと同時に、先制医療の実現には、医療提供者だけでなく、社会のあらゆる組織、自治体、企業、NPO法人などが疾患の予防に関与していかなければなりません。

 政府も予防に対する健康保険の適用を段階的に考えていくべきです。健康長寿は社会の全ての人、あらゆる組織が能動的に参加しなければ成り立たないものであるといってよいでしょう。

(タイトル部のImage:石田 高志)