「八王子市に住んでいて良かった」と思えるような施策を

八王子市では、新しい手法を取り込むことに積極的な姿勢があるということでしょうか。

 そうですね。まず医療面で見れば冒頭に話したように医師会の理解が深く、市との両輪で連携をしていく土壌があります。例えば新型コロナ対策でも医師会から強い要望があり、PCR外来の開設や多摩地域で初となる軽症状者等のホテルでの受け入れに関して、すぐに市のほうでも対応しました。こうして日頃から現場の声を吸い上げながら、医療関係の施策に結びつけています。

 また、本市は都内唯一の中核市のため、国や東京都からいち早く情報提供を受けられるのも強みです。そして、他の自治体と比較しても幅広い権限がある。がん受診率向上施策は厚生労働省から、SIBは経済産業省から声をかけていただきましたが、しっかりした実証フィールドが整っていた点が評価されました。このようなチャンスをいただいた際には真っ先に事業に取り組み、良い成果を出しながら、多摩地域のリーディングシティとして各所に波及させていきたい思いがあります。

最後に、「がんの早期発見」に向けた今後の自治体の役割について、あらためてお聞かせください。

 八王子市では年間1500人以上ががんで亡くなっています。死亡原因の第1位であり、死因の約30%を占めるという現実がある。この状況を少しでも改善するためにも、従来通りの質の高いがん検診事業を継続していく所存です。

 高齢化が加速し、健康寿命延伸の観点からもがん検診の受診率向上は非常に大切です。少子化による人口減少も伴い、どの自治体も積極的に魅力を発信していますが、医療・健康に対する意識の高さは八王子市の特徴です。最近では働き盛り世代だけではなく、市内の大学で講義を行うなど、若い世代へのがん啓発も開始しています。多くの方に「八王子市に住んでいて良かった」と思えるような施策を今後も展開していきたいと思います。

(タイトル部のImage:寺田 拓真)