競争領域と非競争領域を分けて考える

保険の枠を超えた取り組みを進めていくことで、今後は事業の競争環境も変わっていきそうです。

 保険の枠を超えて広くヘルスケア事業でも新たな価値の創造を目指していくとなれば、保険ビジネスをめぐる同業他社との競争だけでなく、ヘルスケア事業全般にわたって競争を意識することになります。人生100年時代と呼ばれる高齢社会化や健康志向の高まりでヘルスケア事業は将来にわたってビジネスチャンスがあると見られており、多くの企業が高い関心を持っています。その中で、ヘルスケア事業のどの分野にフォーカスするのかはまさに企業の経営戦略です。そして、その経営戦略の根底にあるのが会社のコアバリューだと思います。

 この点、私たちは「がんに苦しむ人々を経済的苦難から救いたい」という創業の想いに基づき、また、長年がん保険の提供を通じて培ってきた知識や経験を生かして社会に貢献するために、まずキャンサーエコシステムの一環としてがんに関するヘルスケア事業に取り組むことにしたのです。

 一方、がんに関するヘルスケア事業については、私たちだけですべてはできません。がんに関する社会的課題の解決に関心の高い医療機関、大学・研究機関、企業などと連携・協業する必要があります。したがって、競争と同時にパートナーとの連携・協業もとても重要になってきます。どのようなパートナーと連携・協業できるかがエコシステム構築の成功の鍵であるという点では、連携・協業するパートナーをめぐって競争しているとも言えるかもしれません。

これまで競合関係だった生命保険の同業他社も、コラボレーションの相手になるかもしれませんね。

 はい、他の生命保険会社でも保険の枠を超えて新たな価値を創造していこうと考えている会社が出てきていますが、社会的課題の解決のために、お互いに連携・協業することもあると思います。例えば、お客様の利便性を向上させるような業界横断的なインフラについては、連携・協業しなければ実現しませんし、連携・協業することで各社の業務も効率化し、そのぶん経営資源を成長への投資に振り向けることができます。競争領域では各社が知恵を絞って競争しつつ、非競争領域では連携・協業するということも今後多く見られるようになるのではないでしょうか。

 いずれにしても、社会的課題の解決に取り組もうとすれば、ステークホルダーと連携・協業して行っていくことが重要であるということです。私たちのキャンサーエコシステムも、医療機関、大学・研究機関、企業などと連携・協業して、がんに関する社会的課題の解決に取り組んでいきたいと考えています。

(タイトル部のImage:川島 彩水)