国際医療福祉大学・高邦会グループは2020年12月、グループのリソースをフル活用したヘルスケアオープンイノベーションの取り組み「IHW Open Innovation」(IOI)を開始すると発表した(プレスリリース)。異業種企業との協業やスタートアップへの投資などを通し、ヘルスケア業界に存在する課題解決を目指していくという。果たして、その狙いや具体的な中身、今後の展望は――。同グループ 専務理事で医師の高木邦彰氏に聞いた。

(聞き手は小谷 卓也=Beyond Health)

「IHW Open Innovation」(IOI)を仕掛けようと思ったきっかけは。

 日本には数多くの良質なヘルスケア関連の企業やアイデアがあり、徐々に市場が形成されつつあります。ただ、次世代のヘルスケアビジネスが成熟している米国やイスラエル、中国などに比べると物足りないものがある。例えば米国ではヒューストンやシリコンバレー周辺でエコシステムが形成されていますが、日本にそうした文化はありません。大学や医療機関などの医療側が協力をして、ヘルスケアビジネスを育てる土壌はまだまだと考えています。

 なぜそう思うのか。それは、私自身がその現実を目の当たりにしたからです。2015年にメディカルノート(医療情報・オンライン医療相談プラットフォーム)を立ち上げに参加しましたが、医学部に在籍しているとはいえ当時はただの学生でした。仲間と一緒にたくさんの医師に協力をお願いにいきましたが、先々で「こんなサービス、上手く行かないよ」と否定され、いきなり壁にぶち当たったのです。

 結果的に、IHW(国際医療福祉大学・高邦会)グループの医師に協力をいただくことが一番の近道だと方向転換しました。グループの中でも著名な医師の方々にメディカルノートに登場し出ていただいて、そこから横展開して成長を重ねてきた背景があります。この経験から、ヘルスケアへの進出を目指すベンチャーやスタートアップはもちろんのこと、大企業に関してもIHWグループの医療アセットは大きな価値を発揮するはずだ──そう考えたのが原点です。

国際医療福祉大学・高邦会グループの高木邦彰氏(写真:川島 彩水、以下同)

 IOIは、IHWグループが持つ豊富なリソースとアセットを活用したオープンイノベーションの取り組みです。IHWグループが医療側の伴走者となり、医療の内側から壁を打破してともにヘルスケアビジネスを育てていきます。日本のヘルスケアビジネスは遅れを取っていることを自覚し、今こそ本腰を入れて医療機関と異業種の企業が協力し合いながら道を切り開いていく時期だと思います。