Beyond Healthは、「健康で幸福な人生100年時代を可能にする」社会を描くためのビジョンとして「空間×ヘルスケア 2030」を提案し、それを具現化するためのプロジェクト「ビジョナリー・フラッグ・プロジェクト(VFP)」を進めている(関連記事:目指すは「空間×ヘルスケア」の社会実装)。では、その2030年、識者はどんな未来を描いているのだろう?

かつて典型的な「ディフェンシブ(防衛)銘柄」とされていた医薬品銘柄が「グロース(成長)銘柄」と呼ばれるなど、株式市場におけるヘルスケア銘柄の期待が変わりつつある。背景にあるのは、ヘルスケアを取り巻く環境の変化だ。社会とビジネスを先読みするプロである投資家は、ヘルスケアの未来をどう見ているのだろう。成長企業の目利き力に定評があるレオス・キャピタルワークスは、設定来約6倍の運用成果を誇る「ひふみ投信」を運用・販売する運用会社として知られている。その代表取締役副社長の湯浅光裕氏に話を聞いた(データは2021年3月末時点)。

湯浅光裕氏 レオス・キャピタルワークス代表取締役副社長
ゆあさ・みつひろ。外資系運用会社で日本株のファンドマネジャーを歴任した後、2003年に藤野英人氏らとレオス・キャピタルワークスを創業。新興企業や成長企業への調査・投資、ロング・ショート戦略に代表されるヘッジファンドの運用経験が長い(写真:レオス・キャピタルワークス提供、以下同)

ひふみ投信は、投資信託の運用を行っているファンドマネジャーやアナリストの顔写真やインタビューを公開するなど「顔が見える運用」を行い、個人投資家から人気を集めています。2008年に運用を始めたファンドの純資産は、約1400億円になっています。これまでの運用を総括していただけますか?

 私は、2008年の設定時から運用に関わってきました。ひふみ投信が目指しているのは、「ドキドキしない運用」です。言い換えればシャープ・レシオ(投資のリスクに対してどれくらいのリターンを得られるかを示す指標)の高い、効率のいい運用ということになります。といっても、手法としてシャープ・レシオを高くする運用はないので、結果的にシャープ・レシオが高くなったということです。

 では具体的にどういう運用をしているかと言うと、グロース株もあればバリュー株もある、安定成長を目指す企業もあれば、5年で結果を出そうとする企業もあるというように、多様な銘柄を組み入れています。

 根底にあるのは我々が世の中をどうしたいのかという価値観で、日本を元気にしてくれる企業を探し、さらに、基準価額が大きく上下して投信を購入してくださっているお客様をドキドキさせないような運用を行っているわけです。

 株価は「EPS(1株当たり純利益)×PER(株価収益率)」で算出できますが、EPSとは利益の成長であり、PERは成長期待率で、この両方がないと株価は上がりません。重要なのは、今日よりも明日、明日よりも明後日の生活を良くしたいという思いが投資の大前提としてあるということです。

 結果的に設定から12年、日本の企業は成長を続け、投資家は日本の企業の将来性を高く評価した。これが今のひふみ投信の基準価額(投資信託の時価)に表れていると思います。

ひふみ投信の基準価額は2021年3月末時点で6万2857円、設定来約6倍になりました。この間、東証株価指数(TOPIX)の上げ幅は約2倍だったので、市場平均の3倍近くの成果を上げた計算です。この運用実績をどうご覧になりますか?

 ある程度、評価できるものと考えています。我々はアクティブ運用を行っているわけですから、インデックスを上回るのは当然達成しなければならない目標です。

 国内だけでも3800近い企業が上場しており、その中には「世の中をより良く変えていきたい」というイノベーティブな商品やサービスを提供する企業が多数あります。その中でどの企業を選ぶかがファンドの腕の見せどころで、我々が重視しているのが「企業分析」です。

 ひふみ投信の組み入れ銘柄にはオーナー企業が多いのですが、その経営者の見極めこそが、我々のアクティブと言えるでしょう。