コロナ禍で働き方やワークプレイスのあり方が急速に変わりつつある。テレワークを初めとする多様な働き方が登場する一方で、社員のメンタル面への不安やエンゲージメントの低下などの課題も残る。そうしたなかで、積極的な働き方改革に取り組み、そのノウハウを他社にも提案しているのがNECネッツエスアイだ。同社の牛島祐之社長は「テレワークが普及しても、オフィスはなくならない」と語る。ニューノーマル時代に求められるオフィスの役割や共創による課題解決などについて、牛島社長に聞いた。

(聞き手は高橋 博樹=日経BP総合研究所 戦略企画部長)

NECネッツエスアイ 代表取締役執行役員社長の牛島祐之氏(写真:吉成 大輔)

新型コロナウイルス禍の拡大によって、働き方やワークプレイスのあり方が大きく変わってきました。こうした変化を、牛島社長はどのように感じていらっしゃいますか。

 これほど急激に働き方が変化したのは、そもそも今までの日本のワークプレイスが生産性を高めたり、イノベーションを生み出したりするうえで、うまくマッチしていなかったということもあるのでしょう。どのような形が正解なのか、その答えはまだ出ていませんが、いろいろな選択肢が生まれ、働く人が各々の働き方に応じて選べるようになってきました。

 このような多様な働き方を可能にしたのは、IT技術の進展によるところが大きい。ただ、日本はセキュリティを重視する傾向が強く、それがともすればITを活用するうえである種のブレーキにもなっていました。しかしコロナ禍を機に、IT技術をもっと柔軟に活用していこうという風潮が生まれています。いろいろなチャレンジが許される環境になってきたと思います。

御社では2007年から働き方改革に取り組むとともに、ITやネットワークに関する様々なソリューションを顧客に提供されています。コロナ禍においてクライアントからはどのような相談が寄せられていますか。

 2020年春の第1 弾の緊急事態宣言のときは、テレワークに移行するためにどんな設備を導入して、どのように管理すればいいのかという相談が中心でした。最近は単なるデジタル技術の活用法だけでなく、もっと根本的な問題として、将来も見据えて働き方やオフィスのあり方について、どのように進めていけばよいのかといった内容が多いですね。

 コロナ禍でいろいろな課題が出てきて、みなさん戸惑っていらっしゃいます。当社でも2020年4月に全部門から人を集めて、今までの働き方やさまざまなDX(デジタルトランスフォーメーション)技術について改めて検証を行いました。

 日々、生まれてくる技術や製品はたくさんありますが、それを本当に使える形にして顧客に提案するには、やはり我々自身が体験する必要があります。成果が出るかどうかわからないものでも恐れず、「ファーストペンギン」のようにまずは一歩を踏み出し、良い所も悪い所も肌で体感してお客様に生の声を届ける、これが一番正しい情報の出し方だと考えています。