がんの現状やリスクをデータで提示できる時代へ

 がんの場合、検査で異常が見つかる前の段階でも、全身を調べれば何らかの変化や遺伝子的な異常の蓄積などが見えてきます。将来的には、血液検査やゲノム解析などによって、こうした個人ごとのがんの現状やリスクをデータで提示できる時代が訪れるでしょう。

 そのデータを患者にうまく共有できれば、がんをより自分の問題として意識しやすくなると思います。リスクに応じた行動変容も取りやすくなるはずです。

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 がんは多くの人が60歳や70歳といった高齢で発症しますが、リスクの高い人は50代や40代、場合によっては30代で発症する人もいます。もし発症リスクを評価できるようになれば、医療者側としても早期の治療介入や予防介入が可能になるでしょう。もしかしたら、「30代でのリスクを維持したまま80歳まで生きていく」など、がんが実際に発症するタイミングを遅らせるような対処も可能になるかもしれません。

 そのためには、がんを発症する前の個々人の発症リスクの高低を客観的に指標化し、個人のリスクマネジメントに反映させていくことが必要になります。それが実現できれば、社会活動や経済活動など、より具体的な取り組みにまで落とし込んでいけるでしょう。もちろん、もう少し未来の話ではありますが、とても重要な視点だと思っています。