データ利活用をさらに推進

それが栄養管理アプリ「SIRU+」(シルタス)の実証につながったわけですね。実証の様子を教えていただけますか。

 食品の購買履歴から食生活改善を提案するシルタスの仕組みは素晴らしいと感じています(関連記事:「頑張らなくてもいいヘルスケアサービス」を広めたい)。アプリを使うだけで自らの食生活に気づきを与え、行動変容につながるきっかけとなるわけですから。ひいてはそれが、健康的な食生活の定着へと発展することを期待しています。

 藤枝市と連携しているのは、県内で31店舗を展開するスーパーのしずてつストアです。スーパーのポイントカードを登録するだけで、購買情報がアプリに自動連携されます。栄養価を計算するだけではなく、AIが購買履歴を分析して栄養バランスを整えるための食材や、オススメのレシピを提案してくれます。

 例えば毎回食事の写真を撮って投稿したり、記録を入力したりといったように、市民に負担を強いるような仕組みだと継続は難しくなります。しかしシルタスのシステムはポイントカードを見せるだけなので、無理なく続けることができます。アプリ提供者のシルタスは「買い物するだけで健康になる」ことをうたっていますが、気軽に食生活改善につなげられる点が最大の特徴だと思います。

 具体的には2021年8月1日〜2022年1月31日まで、藤枝市民、しずてつストア従業員とその家族300人を対象に半年間の実証を行ないます。2020年に、しずてつストアと市職員あわせて130人が試験運用を実施したところ、1カ月間と短い期間ながら、「食習慣改善の意識づけに非常に役立った」との声が多数寄せられました。今回の実証では、より拡大して効果を計測するのが狙いです。

 2020年は藤枝市内の店舗だけでしたが、今回は市外の店舗も含み、全31店舗を実証対象としました。やはりポイントは、頑張らなくてもいいということ。日常生活のルーティンに組み込まれている施策なので、とくに若い世代にとっての効果は高いと思います。

実証を経ての今後の展望は。

 この仕組みをより実効的なものとして定着させていきたいと考えています。現在は行政が牽引していますが、シルタスの取り組みが一般化すれば、市民が率先して採り入れていくはずです。我々としても、各個人の自発的な健康管理への行動変容につながることが理想の姿です。

 さらに今後は、行政にとってデータに基づく施策が必要不可欠になってきます。市民の皆さんの安全、快適、便利な生活を実現するためにはデータ利活用をさらに進めていかねばなりません。いまは食分野での活用ですが、4K施策のどの分野にも応用できるに違いない。蓄積したデータを分析することで、新たな発見や活用につながるでしょう。それを踏まえ、シルタスの取り組みを契機として、データ利活用をさらに推進していくつもりです。

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(タイトル部のImage:上野 英和)