世界の80学会がキャンペーンに参加

 参加する医学会は当初の想定を超えるほど広がり、2019年までにおよそ80の学会が参加するまでになり、必要性を問うべきだと掲げられた医療行為は約550項目にまで拡大した。がん、循環器、消化器、精神医学、小児科、産科婦人科、救急、プライマリケアといった主要分野において世界を代表する医学会が5つのリストを発表したことから、米国内に大きなインパクトを与えた。歯科医師、薬剤師、看護師、理学療法士、作業療法士、カイロプラクティックという関連の専門団体も加わり、領域の幅にも広がりが出ている。

 このキャンペーンは、米国の枠を超えて、さらに海外にも広がっている。日本でも2016年にチュージング・ワイズリー・ジャパンが発足。このほかカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、英国やドイツなど欧州各国にも活動は広がりを見せている。

 このキャンペーンの底流にあるのは、冒頭に触れたように、医療の価値への目線。医療を施して終わりではなく、そこから出てきたアウトカムを評価しようという動きが出ているのだ。研究によってその評価をするのも一つだが、最近では、医療のビッグデータの分析によっても医療から出てきた成果は見えるようになってきている。そうした情報技術も医療の生み出す価値を重要視しようという動きと足並みをそろえているのである。

 日本では入院の長期化や、病床の過剰が問題となっている。チュージング・ワイズリーに掲げられたリストの中にも安易な患者の安静を戒める項目がある。いかに医療の効率を上げていくか、日本でもビッグデータに基づくアプローチから変えようとする動きが企業などからも出ている。チュージング・ワイズリーは現実の医療とも密接なつながりを持ってきている。

(タイトル部のImage:Goss Vitalij -stock.adobe.com)