患者や医療機関にどんなメリットがあるのか…

 当初は、情報を提供する国民や医療機関にとってのメリットが議論になった。ただし、結果的に効果の高い治療法などの研究成果が日常診療にフィードバックされ、国民生活に恩恵をもたらすと期待されている。

 例えば、次世代医療基盤法によって、大量の実診療データに基づいた治療選択肢の評価などに関する大規模研究が可能になると期待できる。異なる医療機関や異なる領域の情報を統合できるようになることで、例えば糖尿病と歯周病のように異なる診療科の関連が明らかになる可能性がある。

 画像と診断名を含めて分析することができるようになるので、人工知能(AI)などを用いた診療支援ソフトウエアや医療機器の開発などに寄与する。医薬品の副作用情報については、医療機関からの報告に加え実データを用いることになるため、副作用の発生頻度の把握など可能になり、医薬品の安全性向上にも寄与する。

 これらの成果を得るためには、将来にわたって認定事業者の情報基盤の拡充と利活用推進の好循環を生み出す必要がある。それには、医療情報を提供する国民・医療機関、情報の利活用者である企業・研究機関などが同法を理解し、協力することが不可欠となる。


(タイトル部のImage:Goss Vitalij -stock.adobe.com)